ノックイン型仕組債、レアルリンク債が大変なことに【コロナショックで社会問題に発展!?】

仕組債やレアルリンク債のノックインで悩む銀行員

現在、世界はコロナショックで大変なことになっています。日経平均株価は20,000円の大台を余裕で割り、一時16,000円台まで下落しました。

各国が様々な経済政策を打ち出していますが、いまだに収まる気配はありません。

誰もが、このような経済状況になることを想像していませんでしたが、これから銀行で大問題になりそうなことがあります。

それはノックイン型の仕組債が次々とノックインしていることです。

そこで今回は、ノックイン仕組債や銀行が積極的に販売していたレアルリンク債の状況について説明をします。

仕組債が大変なことになっている

仕組債の詳しい説明については、本サイトの「仕組債がおすすめできない理由とそのからくり」を参照していただければと思います。

簡単に仕組債について説明をすると、日経平均株価が、契約した時の日経平均株価から○○%下落すると、元本の保証が無くなってしまう金融商品のことをいいます。

仕組債の多くは60%から70%程度に下落すると元本保証が無くなる商品が多いです。

銀行では日経平均株価が18,000円から24,000円程度の時に積極的に仕組債の販売をしていました。

ですので、高値で仕組債を購入した人の中には、ノックインをすでにしてしまった投資家が多くいます。

例えば日経平均株価が24,000円の時にノックイン価格70%で設定した場合のノックイン価格は、16,800円です。

また当時日経平均株価は安定的に上昇していたので投資家の中にはノックイン価格を80%に設定した投資家もたくさんいます。

ノックイン価格を上げるとリスクが高くなるので金利が高くなるのです。

日経平均株価が24,000円の場合、人気の80%に設定するとノックイン価格は19,200円です。もう到達してしまっています。

仕組債は日経平均株価が一瞬でもノックイン価格に到達すると元本保証が無くなるので日経平均株価が高い時に、高いノックイン価格で設定した仕組債は軒並みノックインしていることになります。

また更に深刻なのがブラジルレアルにリンクしたレアルリンク債といった仕組債を保有している投資家です。レアルリンク債の惨状について次の章で説明をします。

レアルリンク債も大変なことに


参照元:https://www.mizuho-sc.com/information/pdf/blr_3.pdf

レアルリンク債とは、ブラジルレアルに連動した仕組債です。

レアルリンク債は、金利が非常に高いので、非常に人気のある商品です。

特に銀行が、証券会社を通して販売できるようになった5年ほど前からは爆発的な人気があった商品です。

レアルリンク債は、金利がものすごく高いです。7%~10%程度出るものが主流なので、販売する側からすると非常に見栄えの良い商品です。

もちろん投資家にとっても高い金利がもらえる商品なのでメリットはありますが、問題はブラジルレアルのリスクをしっかり説明をせずに販売をしていることです。

下の表は、ブラジルレアルの5年間のチャートです。

参照元:Yahoofainance

チャートを見ると5年間で半分になっていることが分かります。

新興国通貨のブラジルレアルは米ドルなどの先進国通貨に比べて値動きが非常に激しい傾向があります。

このようなリスクの高い商品をリスク許容度の低い顧客にバンバン銀行は販売していたのです。現在のブラジルレアルの為替は約22円です。

瞬間的に20円まで行ったのでレアルリンク債を保有している多くの方がノックインしてしまっている状況です。

実際に私の友人の銀行員はコロナショックの影響で、自身が販売したレアルリンク債がノックインしてしまったようです。

顧客に現況報告を行った時、「直近で使う予定のあるお金でレアルリンク債にしたことはあなたは知っているはずだ。訴える。」といわれたそうです。

このようなケースの場合、銀行や証券会社ではしっかり販売時の記録を残していますので金融機関が裁判で負けることは少ないです。

しかし金融庁は銀行や証券会社の仕組債の販売方法に問題があることを認識しています。

販売時の記録は銀行や証券会社に都合の良いように書かれていることも金融庁は把握しているので、今後は金融機関が裁判に負けることが増えるかもしれません。

レアルリンク債は、100万円程度で買うことができる商品もありますが、金利やノックイン価格を好きなように設定したい場合は5,000万円必要なことが多いです。

レアルリンク債は手数料が高いので銀行に莫大な収益が入ります。私が実際に販売していた時の手数料は5%でした。

5.000万円の5%なのでなんと250万円の手数料が入ります。収益目標の達成が厳しい時によくこのレアルリンク債を販売して助けられた記憶があります。

今振り返ると本当に申し訳ないことをしたと思いますが多くの銀行員は私のようにレアルリンク債を大量に販売していました。

今後、仕組債関連での訴訟が増えるでしょう

仕組債は平常時は問題ありませんが、ノックインした瞬間に大変なことになります。

過去には三井住友銀行がある兵庫県朝来市に大量の仕組債を販売して訴訟になったことがあります。

自治体でもこのような事態になるので個人投資家の方の多くは訴訟に踏み切る可能性が高いと思います。

しかもいまはADRという制度があります。

ADRとは「Alternative(代替的)」「Dispute(紛争)」「Resolution(解決)」の頭文字をとって作られた言葉で、日本語に訳すと代替的紛争解決手続となります。

平たくいうと通常の裁判より簡単に訴えることができることです。多くの投資家がこのADRを利用して銀行を訴えていくでしょう。

まとめ

今回は、コロナショックの影響による仕組債の現状について説明をしました。仕組債やレアルリンク債は、相場が平常時では高い金利を受け取ることができるので一見良さそうな商品に見えます。

しかし、仕組債やレアルリンク債は非常にリスクが高い商品ですし、内容についてしっかり理解している顧客は少ないので今後、銀行や証券会社を訴える仕組債やレアルリンク債がらみの裁判は多くなってくるでしょう

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