コインチェックNEM580億円相当の流出事件のまとめと今後の仮想通貨市場の見通し

昨今、コインチェックが、仮想通貨界隈のみならず、様々なところで話題になっています。

なぜなら、コインチェックから、約600億円もの仮想通貨が盗まれた、というニュースが流れたからです。

このニュースを受けて、コインチェック社が破産するのではないか、といった憶測も飛び交い、仮想通貨全体の信用に不安が起こり、仮想通貨市場は大きく下落しました。

今回は、この騒動を受けて、仮想通貨に投資する立場として、知っておいたほうがいいこと、そして、今後どうするべきかについて、考えをまとめてみました。

コインチェックハッキング事件の一連の流れを整理する

まず、今回、どういったことが起こったのか、整理してみましょう。

今回の発端となったのは、NEM(ネム)という仮想通貨です。

1月26日の午前0時台に、コインチェック社から、約10分の間に、5億2630万NEM、日本円に換算すると約600億円もの仮想通貨が盗まれました。

これを受けて、コインチェック社は、NEMの出金を停止したのを皮切りに、現在は、すべての通貨の出金、日本円以外の入金、ビットコイン以外の売買、そして、クレジットカード、ペイジー、コンビニでの日本円の入金が停止されています。

コインチェック社は、セキュリティの高いコールドウォレットではなく、オンラインのウォレットでNEMを管理していたそうです。現在は再開の目途がたっておらず、原因究明と対策を最優先するそうです。

すでに不正したアドレスは特定されており、有志による監視や犯人の特定も始まっています。

また、コインチェック社は、顧客に対し、NEMを日本円で返金する、という方針を打ち出したこともあり、仮想通貨市場は落ち着きを取り戻しています。

ここまでが、今起こっている一連の流れになります。

要点だけをまとめると、そこまで慌てるものではない?

では、要点だけを抜き取ってみましょう。要するに、今回の事件は、「コインチェック」という「取引所」が「NEM」という通貨を「盗まれた」ということになります。銀行強盗と全く同じです。

今回の事件を見て、仮想通貨は終わった、という人もいますが、それは全くお話が違うことはわかるのではないでしょうか。むしろ真実は逆で、NEMに価値がある、と思った人がいるからこそ、NEMが盗まれる、という事態になったのです。

かつて、都銀の1つである、北海道拓殖銀行が破たんした時も、不安からか、人々はこぞって預金を引き出しに行きました。今回のパニックも、それに近いものがあるような気がします。

今回の騒動で、何が起こるのか?仮想通貨市場の今後の見通しについて

では、今回の騒動で、何が起こるかを予想してみましょう。

まず、コインチェックですが、返金の方針を決めましたが、全額返金できるかどうかは未定と言えるでしょう。

なにしろ額が桁外れです。もしかすると、このまま破産してしまう、ということがないとは言えません。もし、預けていたお金が戻ってこなかった場合、それはもうあきらめるしかないのかもしれません。

現時点では、一切仮想通貨は保護の対象ではないからです。

では、仮想通貨全体はどうでしょうか。しばらくの間は、セキュリティ不安から、投資熱が冷めるかもしれません。

しかし、現在のカネ余り状況や、ビットコインやブロックチェーンに対し熱い情熱を持つ人たちがいることを考えると、また再び、盛り返してくる可能性も十分にあると思います。前もいったように、ビットコインやアルトコイン単体で考えるべきではなく、ビットコインへの投資、投機は、世界経済全体の動きの中で考えるべきなのです。

この件で、国や機関が保護方針や、セキュリティ対策等のガイドラインを作成する動きもあるかもしれません。そうなれば、その安心感が、投資を呼び込む可能性もあると思います。

かつて、マウントゴックスという会社が、同様の被害にあい破綻しました。しかしビットコインへの投資、投機は止まりませんでした。今回も、しばらくすると、また仮想通貨に資金が流れ込むことは、十分にあり得ることだと思っています。

※仮想通貨の投資として今後の価値についてはこちらに詳しく書きました。
仮想通貨はまだ投資対象なのか?(前編)~コインチェック流出後の見通し~

我々投資家が、気を付けるべきことは

では、我々投資家が、気を付けるべきことは何でしょうか。これは2つあると思います。

1つは、「リスク分散」です。コインチェックのみを利用していた人は、100%被害にあっていますが、他の取引所に分散させていた人は、それだけ被害が小さくなっています。

また、通貨を分散させていた場合も、被害は比較的小さくなるでしょう。かくいう私も被害に会いましたが、取引所および通貨を分散させていたため、返ってこなくても仕方ないか、くらいの冷静さを保つことが出来ました。ハードウォレットを使うなど、セキュリティ対策を自分で行うことも重要かもしれません。

もう1つは、「ただしい情報を得て、今後の方針を決めること」です。今回の騒動で、仮想通貨投資をやめたい、と思う人もいるでしょう。

しかし、リスクをとらないと、リターンを得ることは絶対にできません。あなたがリターンを得たくないのであれば、また、リスクが大きすぎると判断するのであれば、撤退は理にかなっていると思います。

しかし、リターンはリスクを取った人にしかこないことは、頭に入れておくとよいでしょう。

実際に、SNSでも、仮想通貨投資を続ける、と言う声も多く聞かれています。

コインチェックのNEM流出騒動で、我々投資家が知っておいた方がよいこと まとめ

コインチェックのニュースは、世間を騒がせ、仮想通貨全体の信用を落としてしまう結果になりました。

しかし、あくまで、本質は、取引所から通貨が盗まれた、という話であり、仮想通貨そのものの価値とは、あまり影響がない話であることを、きちんと理解しましょう。確かに、電子通貨である以上、仮想通貨の信頼が毀損されたことは事実です。

しかし、私は、今後も、世界経済でカネ余りの状況が続くなら、再び仮想通貨に資金が流入してくる可能性は、決して小さくはないと思います。

我々がこういった局面でとるべきは、「リスクを理解し、リスクを分散する」ことと、「正しい情報をもとに、正しいと思う判断をする」ことです。もし、この騒動で仮想通貨から撤退してしまうと、今後、一切、仮想通貨からリターンを得ることはできません。きちんとリスク、リターンを考え、行動に移すことが望まれます。

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