日本における「シーゲル流投資」とは?シーゲル推薦のポートフォリオとの違い

シーゲル推薦ポートフォリオ

前回の記事では、シーゲル氏の赤本こと、「株式投資の未来」について解説しました。株式投資の未来は、投資家たちの間で、「バイブル」と呼ばれているほど、重要なエッセンスが詰まった一冊になります。

前回の記事⇒シーゲル流投資「株式投資の未来」を解説【米国株投資家のバイブル】

株式投資の未来では、「成長の罠」という言葉を使って、グロース株よりも、低PER高配当株のほうが、将来にわたって高いリターンをもたらすことを説いています。

また、配当再投資をすることで、複利効果を用いることが重要とも説いています。

今回は、これまでの内容を踏まえながら、「シーゲル流投資」について、いったいどういった投資法なのか、なぜ人気があるのかについて、解説していきたいと思います。

シーゲル流投資とシーゲル自身が勧めるポートフォリオは異なる?

まずは、シーゲル氏が、自身が書籍の中で勧めるポートフォリオを説明します。

シーゲル氏は、ポートフォリオのうち50%をインデックス投資として、残り半分を、グローバル戦略、セクター戦略、バリュー戦略、高配当戦略に、それぞれ10~15%ずつ持つことを推奨しています。

また、インデックス投資のうち、30%は米国株に、20%は米国株以外に投資することを推奨しています。シーゲル氏の推奨ポートフォリオを図にすると、以下のようになります。以外と分散していることがわかるのではないでしょうか。

シーゲル推薦ポートフォリオ

しかし、シーゲル流投資と検索してみると、多くの投資家がシーゲル流投資家をうたっているのですが、実は、シーゲル流投資というのは、多くの人が、シーゲル氏の言う「成長の罠」だけ切り取って、高配当戦略やバリュー投資戦略のことを、シーゲル流投資と言っているのです。

高配当戦略やバリュー投資戦略は、決して悪いことではありません。しかし、シーゲルが推奨するポートフォリオと、シーゲル流投資とは、若干の違いがあることは理解しておくとよいでしょう。

日本における「シーゲル流投資」とは?

では、日本におけるシーゲル流投資とは、いったいどのようなものでしょう。

一言でいうと、「高配当を安定して続ける、人気のない銘柄」になります。多くの投資家は、配当利回りとPERでスクリーニングをかけ、こういった銘柄を選びます。そして、配当金を再投資することで、資産を雪だるま式に増やすことを目論んでいるのです。

なぜ日本でシーゲル流投資は人気がある?

では、なぜ日本で、シーゲル流投資はここまで人気があるのでしょうか。主な理由は3つあると考えます。

1つは、インカムゲインという確かな果実を得ることができるからです。投資において重要なのは、利益を確定させることです。

もちろん含み益も利益には違いありませんが、含み益は、ある日突然、相場が暴落したら、一瞬で含み損になることもあるでしょう。そういったリスクがないのが配当金です。高配当株というのは、一回一回利益を確定するということです。

この、「利益が確定している」「お金が安定して入ってくる」というのは、投資家心理として非常にありがたいものがあります。精神安定という意味で、高配当株は人気があるのです。特にアメリカ株は、よっぽどのことがない限り減配しない会社が多く、そういう意味でも、安定した利益を得ることができる配当を好む投資家は多いです。

2つ目は、よく知られている銘柄があるからです。たとえば、マクドナルドやコカ・コーラなどは、高配当シーゲル銘柄としてよく知られています。

こういった企業に投資するのは、エヌビディアやネットフリックスなど、よくわからないハイテク企業に投資するよりは、利益の出どころも明確であり、わかりやすい、なじみがあるとして、投資しやすいという側面があるようです。よく知っている企業が安定的に配当をもたらしてくれるなら、投資を始めるハードルは低くなるでしょう。そういった意味でも、海外株という、よくわからないものの中で、わかりやすい銘柄が多いのが人気の理由になります。

最後に、こういった銘柄も、米国株の長期的な成長の恩恵を受けて、株価もゆるやかに成長を続けてきた、という背景もあります。たとえば、高配当バリュー銘柄の筆頭である、コカ・コーラの株価の推移を見てみましょう。

コカ・コーラの株価推移
(出所:Yahoo!ファイナンス)

見ての通り、ここ10年というスパンで見ると、株価は右肩あがりで、2倍近くになっています。多くの投資家はリーマンショック後に投資をはじめており、本格的な下落を経験していません。

こういった相場環境がよく、高配当バリュー銘柄であっても、株価が成長してきたことが、さらに高配当戦略が人気になる1つの理由と言えるでしょう。

また、チャイナショックの時なども、目立った下落を見せなかったことが、「高配当株は下落相場に強い」という触れ込みになり、さらに高配当投資戦略の正しさをサポートする形になっています。

こういった理由から、日本ではシーゲル流、高配当バリュー銘柄投資が人気なのです。

まとめ

シーゲル流投資とは、シーゲルの推奨するポートフォリオではなく、日本では、特に「成長の罠」に焦点をあてた、高配当バリュー株投資のことを指します。

高配当バリュー株投資は、日本の米国株投資家の多くに人気です。なぜならば、銘柄が比較的なじみがあるということ、インカムゲインという確実な果実を得れること、そして、高配当銘柄であっても株価も成長してきた、という背景があるからです。

次回は、シーゲル流投資の注意点および、実際にはじめるならこういう銘柄がおすすめ、というのを解説します。

シーゲル流投資のデメリットと実践方法について

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