シーゲル流投資のデメリットと実践方法について

前回の記事では、いわゆる「シーゲル流投資」について、解説しました。

シーゲルは分散投資を推奨していますが、実際、シーゲル流投資を謳っている投資家は、シーゲルが勧めるポートフォリオの、「高配当戦略」「バリュー戦略」の部分だけをピックアップした戦略をとっていることも多いです。

前回の記事⇒日本における「シーゲル流投資」とは?シーゲル推薦のポートフォリオとの違い

シーゲル流投資が、日本人投資家に人気な理由としては、配当金がインカムゲインとなり、利益買う低がされるので、精神的に安定しやすいということ、バリュー銘柄にはコカ・コーラなど日本人にもよく知られている銘柄が多く、安心して投資しやすいこと、さらに、リーマンショック以降は、景気回復が続いており、バリュー銘柄といえど株価の上昇があった点などが挙げられるでしょう。

今回は、シーゲル流投資のデメリットと、始め方について、簡単に解説したいと思います。

シーゲル流投資のデメリットとは?

一見万能に見えるシーゲル流投資ですが、もちろん万能なわけではありません。

デメリットというか、リスクは間違いなくあります。主なものを簡単に説明しましょう。

金利の影響を受けやすい可能性が高い

この、リーマンショック以降の株式市場が安定して成長してきた背景に、アメリカの政策金利が低金利状態で据え置かれていた、という事実があります。

そのため、国債の利回りは低く、配当株と比較すると、配当株のほうが利回りが高いため、人々は国債よりも高配当株を買っていたのです。この数年間の配当株の成長には、このような背景があることは理解しておいたほうがよいでしょう。

下の図は、アメリカの政策金利の推移になります。リーマンショック以降は、1%以下という、日本並みの低い金利に設定されていたのです。

米国金利の推移

(出所:時事.com

しかし、2016年ごろから、中央銀行は、好景気により、利上げを徐々に行ってきました。現在の政策金利は、2%前後となっています。10年ものの国債の利回りは、3%近い水準になっています。

一般的に高配当株といっても、配当利回りは2~5%です。

それであるならば、個別株のリスクを負わずに、国債を買ったほうがリスクとリターンの利回りが高い、と投資家は考えます。これからは、「脱低金利の株式市場」という見方で物事を考えなければいけません。

その時に、高配当株が、これまで同様に成長するかどうかというのは、疑わしいものがあります。実際、2017年の後半~2018年に入ってからは、これら高配当株はどちらかといえば軟調な成績になっています。

税金を先に払ってしまう

こちらは、小さな話にはなりますが、投資による収益は、毎年、約20%を納税する必要があります。配当金などのインカムゲインは、毎年、この税金が徴収されています。

たとえば無配の会社の場合、得た利益はそのまま将来の投資や内部留保になるため、株価の上昇という形で還元されます。その場合は当然税金がかかりません。一方、配当として出した場合には、20%以上の税金がかかります。この点が、複利という点で見ると、マイナスになってしまうということです。

結論から言えば、それは事実です。しかし、儲けた分は、どこかのタイミングで利益確定して、税金を支払わなければいけません。その観点でいうと、個人的にはそこまで大きく語る問題ではないかな、という風に思います。しかし、そういったデメリットがあることは、理解しておくとよいでしょう。

シーゲル流投資を始めるには?

上記のデメリットがあっても、配当という確実な利益を得れるという意味で、シーゲル流投資は魅力的です。

しかし、実際、シーゲル流投資を始めるには、どのようにすればよいのでしょうか。簡単にシーゲル銘柄の探し方を見てみましょう。

まずは配当利回りに注目

高配当投資ということですから、まずは、配当利回りに注目しましょう。

配当利回りは、BloombergやYahoo!ファイナンスなど、多くのサイトで調べることが可能です。

英語だけになりますが、海外のThe DRiP Investing Resource Centerというサイトは、多くの企業をエクセルで一覧で見ることができるので、英語ができる方は、こちらのほうが使いやすいかもしれません。

下記の表はBloomberg日本版です。私も株価やリターンを調べるときによく使っています。これはP&Gの事例ですが、P&Gの直近配当利回りは3.46%となっています。

P&G配当利回り
(出所: Bloomberg

連続増配も押さえておきたい

また、アメリカ株には、利回りに加えて、連続増配年数という考え方もあります。連続増配というのは、配当金が何年連続で値上がりしたか、ということです。

これも、先ほど紹介したThe DRiP Investing Resource Centerなどを調べれば、簡単に出てきます。増配年数が長ければ長いほど、「今後も安定したインカムをもたらしてくれる」ことを裏付ける形になります。(もちろん未来は見えませんが)

PERも押さえよう。

もう1つ見る指標としては、PERです。PERは、時価総額が利益の何倍か、という指標で、株価が割高か割安かを示す指標になります。PERが低ければ割安という判断になります。この指標も日本、海外問わず多くのサイトで調べることができます。

このPERが、業界平均よりも低い銘柄のほうが、不当に割安な扱いを受けているということで、将来的に株価の上昇の可能性が高いと予想することができます。低PERの株を選ぶのが、いわゆるバリュー株投資です。

この3つを抑えて、配当利回りが3%以上の、連続増配銘柄で、かつ、低PERの銘柄に投資すれば、あなたもシーゲル流投資を実践しているといえるでしょう。

まとめ

ここまで、全4回にわたり、シーゲル流投資について解説してきました。シーゲルの「株式投資」「株式投資の未来」は、米国株投資をするのであれば、ぜひ読んでおきたい本になります。

その、シーゲル氏の戦略の1つである、高配当バリュー株投資を、日本ではシーゲル流投資と呼ぶことが多いです。

シーゲル流投資は、今後、金利の関係で、今までのような利益が出るかどうかはわかりません。しかしながら、インカムゲインが安定的に入ってくる投資は、投資家心理としても非常に安心できます。

また、よく知っている銘柄が多いので、初心者にはぴったりな投資と言えるでしょう。

投資に興味をもったなら、シーゲル銘柄から投資に入ってみるのもいいかもしれませんね。

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