長期投資をする上で、ETFや投資信託が効果的なのは、前回説明させていただきました。
前回⇒ETFは投資信託よりもおすすめな理由について【経費率が安いメリット】
ETFや投資信託は、一つのファンドで複数の個別株に投資できるため、リスクの分散ができるというメリットがあります。
人間、できれば必ず上がる株を買いたいものです。
しかし、必ず上がる株というものは、理論的には存在しないですし、もしあったとしてもわからないでしょう。
そのために、ETFや投資信託で、全体として上がりそうなところを狙うのです。
投資信託にも、2つ種類があります。それが、インデックスファンドとアクティブファンドです。今回は、インデックスファンドとアクティブファンドの違い、そして、サラリーマン投資家との相性などを解説したいと思います。
Contents
インデックスファンドとアクティブファンドの違いって?
まずは、インデックスファンドとアクティブファンドの違いから説明しましょう。
一言でいうと、インデックスファンドは、「ある指標と同じくらいのパフォーマンスを目指すファンド」、アクティブファンドは、「ある指標を上回るパフォーマンスを目指すファンド」になります。
ここで一番のポイントは、あくまでパフォーマンスを「目指す」ということです。実際に指標を上回るかどうかというのは、当然買い付けをするまでわかりません。
どちらもファンドマネージャーが、ベンチマークとする指標を見ながら、株式や債券の出し入れを行います。
インデックスファンドは、ある意味、そのインデックスと同じ銘柄を運用していれば、基本的には大きくぶれはしないでしょうが、アクティブファンドには、正しい銘柄と言うものがありません。
常に市場平均をオーバーアチーブするようにアクションをとるため、銘柄を選ばなくてはいけないのです。これだけで、アクティブファンドの難しさがわかるのではないでしょうか。
インデックスファンドとアクティブファンドは、他にも違う点があります。1つは、運用コストです。インデックスファンドとアクティブファンドだと、コストが大きく異なります。たとえば国内の投資信託で比較すると、インデックスファンドは0.5%未満の信託報酬のものが多いですが、アクティブファンドは1%を超えてくるものがほとんどです。
これは、インデックスファンドに比べ、アクティブファンドは、運用、分析にコストがかかるからです。市場をオーバーアチーブするため、常に情報と戦いながら、株価を選定しているのです。このため、その分のコストが、アクティブファンドには上乗せされていることが多いです。
気になる運用成績の違いは?
では、インデックスファンドとアクティブファンド、どちらが運用成績がよいのでしょうか。
運用成績がよければ、手数料なんて気にならないですよね。
2016年と、少し古い記事になりますが、日経新聞で、以下のようなタイトルの記事がでました。
「アクティブファンドの9割、インデックス投資を下回る」というタイトルです。
記事によると、アメリカ株において、アクティブファンドの総収益率(すべてのファンドの平均値)は、インデックス指標を下回った、という内容でした。
中には、ひふみ投信(この投資信託については別途説明します。)のように、アクティブファンドであっても高い収益を残しているものもあります。
しかし、多くのファンドは、インデックスファンドのパフォーマンスを超えられないのが事実です。やはり、高いコスト構造が足を引っ張っているのかもしれませんし、株式市場の予測は、なかなか難しいものなのでしょう。
サラリーマン投資家はインデックスファンドで十分
個人的には、サラリーマン投資家は、よっぽどのことがない限り、インデックスファンドで十分だと思っています。
なぜなら、株式市場自体が右肩上がりで推移するような構造になっていますし、そもそも一番の問題は、「儲かるアクティブファンドを見つけるのは、儲かる株式を見つけるより難しい」からです。
優秀なアクティブファンドを見つけるということは、優秀なファンドマネージャーを見つけることとほぼ同義ですが、個別の会社の値動きすら難しいのに、どうして投資家の良しあしを見極めることができるでしょうか。
さらに、ファンドマネージャーは、「常に」プラスにすることを求められます。長期投資であれば、今はマイナスでも、低い時期に買い増しをして、将来プラスになればいい、という考え方もできますが、アクティブファンドはそういうわけにはいきません。
基本的に、インデックスファンドといえど、世の中には様々なインデックスがあり、そしてそれに合わせたファンドがあります。自分の好きなファンドを、そのインデックスファンドから選ぶこともできます。なので、無理してアクティブファンドに投資する必要はないでしょう。
インデックスファンドとアクティブファンドは長期投資におすすめなのはどちらか? まとめ
世の中のファンドは、大きく分けて、インデックスファンドとアクティブファンドに分かれます。
インデックスファンドが市場平均を目指すのに対し、アクティブファンドは市場平均を上回ることを目指します。
よって、コストはアクティブファンドの方が高くなります。にもかかわらず、多くのアクティブファンドのパフォーマンスはインデックスファンドを下回ります。
サラリーマン投資家は、基本的には、インデックスファンドで十分だと考えます。なぜなら、株式というのは、長期的には右肩上がりになるような構造になっていますし、また、インデックスファンドの中でも、様々な選択が可能だからです。
よっぽどのことがない限り、アクティブファンドはおススメしません。
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