個人投資家はキャピタルゲインとインカムゲインどちらを重視すべきか?

株・ETF・投資信託を行う上で、一つ忘れてはならないのが、「どこで収益を確定させるか」という話です。

利食い千人力、という言葉があるように、あくまで、金融商品は、利益確定させないと、価値を産みだしません。

今回は、いつ利益確定させるべきか、について、2つの利益の側面から、解説したいと思います。

インカムゲインとキャピタルゲインを整理する

まずは、インカムゲインとキャピタルゲインをそれぞれ簡単に整理しましょう。

わかりやすいのはキャピタルゲインで、株や投資信託を買って、値上がりし、売却した時の利益がキャピタルゲインになります。みなさんが株取引で儲かったと聞くと、大抵こちらをイメージするのではないでしょうか。

一方、インカムゲインは、保有しているだけで入ってくる収益になります。

株価なら配当、ETFや投資信託なら分配金になります。多いものだと毎月分配型といって、毎月、分配金が入るものもありますし、一般的な株だと、日本だと2回、アメリカだと4回配当金が入るところが一般的です。

不動産ではこのキャピタルゲインとインカムゲインの考え方が一般的ですが、株式でもこういう考え方があることは理解しておきましょう。

キャピタルゲイン・インカムゲインのそれぞれのメリットは?

キャピタルゲイン、インカムゲイン、それぞれにメリット、デメリットがあります。その特徴をよく理解しましょう。

キャピタルゲインの一番のメリットは、企業の成長にお金を使える、ということです。

少し難しい話をします。

企業の価値というものを考えてみましょう。(バランスシートをご存じの方は、バランスシートを思い出してください。)

企業価値というのは、株式価値+負債(企業の借金)で表すことができます。つまり、株式価値というのは、企業価値‐負債で表すことができます。

ある年に、企業が100億円利益を出したとしましょう。これを株主に50億円還元する場合と、1円も還元しない場合で比較します。

50億円還元する場合は、そこに税金がかかります。税率は、日本の場合20%です。

つまり、我々には40億円しか入ってきません。一方、企業には50億円残ります。

逆に、1円も配当を支払わない場合、企業には100億円残ります。残ったお金はそのまま株式価値の増大につながります。ビジネスの観点から言うと、その100億円を投資に回し、さらにビジネスを大きくすることができます。

そのため、将来的に企業が生み出す価値は、1円も支払わない方が大きくなると予想されます。これが毎年続くため、複利効果が働いて、将来的な企業価値はより大きくなり、将来の株価は配当を出した時に上回る、と言われています。

これが、キャピタルゲイン(=配当を出さない)の一番のメリットです。

一方、インカムゲインのメリットは、その安定性です。理論上でいうと、キャピタルゲインの方が将来的な収益が大きくなるのは事実です。しかし、インカムゲインには、インカムゲインのメリットもあります。

1つは、その場で利益が確定するということです。先ほどのキャピタルゲインの論理は起業の成長が永続的に続くことを前提に語られています。しかし、将来的な企業の業績は予測できません。

各社、年によって、利益が出たり、出なかったりというのが通常です。毎年利益が増加するのがわかっていたら、市場もそれを織り込んでいるはずなので、株価はすでに将来価格になっているはずだからです。

しかし、インカムゲインの場合は、その場で利益が確定します。企業は株主に対して、配当という形でリスクヘッジしているのです。この「利益を確定できる」というのは、インカムゲインの大きなメリットになります。

サラリーマン投資家はインカムゲインを重視した方がうまく行く?

私は、インカムゲインに重心を置いています。なぜなら、利益の確定、というのが非常に重要だと考えているからです。

1つは、暴落に備えることができる、ということです。仮に、1つの銘柄の株価が半分になったとします。

キャピタルゲインの場合は、含み益も半分になりますが、インカムゲインの場合は、確定した利益は(再投資している場合もありますが、)理論的には残るため、ダメージが少なくなります。

また、暴落というのは、そもそも株価が市場の感情で構成されていることにほかならず、理論株価を決して反映しないことを意味しています。そういう意味でも、インカムゲインのわかりやすさというのはメリットではないでしょうか。

また、分散投資をする上で、リバランスは非常に重要です。インカムゲインの場合、キャピタルゲインに比べて、リバランスしやすい、という特徴があります。

キャピタルゲインの場合、リバランスをするためには、売却する必要はありますが、インカムゲインの場合は、配当金を別の資産に分配することで、ある程度のリバランスが可能です。

スイッチングコストの面でも、インカムゲインの方がサラリーマン投資家には合っているのではないでしょうか。

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まとめ 個人投資家はインカムゲインを狙うべき

株式投資にも、売却益を狙うキャピタルゲインと、配当を狙うインカムゲインがあります。

キャピタルゲインのメリットは、利益を成長に回すことで、さらなる株価の上昇が見込める点です。

一方、インカムゲインは、利益を確定できることがメリットと言えるでしょう。

理論的にはキャピタルゲインの方が将来的なリターンは大きいのですが、株価は決して理論だけでは決まりません。確実にキャッシュが確定することと、また、リバランスのしやすさの観点から見ても、サラリーマン投資家には、インカムゲインの方が扱いやすいのではないでしょうか。

※ただし、毎月分配型はおすすめしません。
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