前回は、投資の初心者として、生活必需品セクターについて解説しました。
前回の記事⇒米国株は高配当ディフェンシブ銘柄(生活必需品セクター)がおすすめか?
生活必需品セクターは、みんなが知っている、コカ・コーラや、P&Gなどのセクターです。
自分たちが知っている企業に投資できることで、安心感があるうえに、これらの銘柄は、すでにブランドとして認知度が高く、また、大きな設備投資が必要なうえに、利益率がそこまで高くないことから、新規参入が難しく、それゆえ、これらの企業は安定したキャッシュフローを出すことができます。
また、新しい投資というのも限定的であり、株主還元が積極的なことから、高い配当利回りであることも特徴です。安定したインカムが手に入るので、日本人投資家には人気のセクターになっています。
こういった、高配当な銘柄に投資する戦略は、世間では「シーゲル流投資」と呼ばれることがあります。
シーゲル流投資で検索すると、さまざまな記事を目にすることができるでしょう。
では、そもそも、シーゲルとは何なのか、また、どういった投資法なのかについて、初心者にもわかりやすく解説していきたいと思います。
Contents
そもそも、シーゲルとは何なのか?
まずは、シーゲル流の「シーゲル」から触れていきたいと思います。
シーゲルは、ジェレミー・シーゲルという、大学教授です。経済学や金融が専門になります。アメリカ株をやろうとすると、ウォーレン・バフェットの次に有名な人といえるでしょう。
では、なぜ、シーゲル氏は、ここまで有名なのでしょうか。
それは、彼が書いた、「株式投資」と「株式投資の未来」によるものが大きいです。
これらが多くの株式投資家の、「バイブル」となっているからです。多くの、シーゲル流投資は、この「株式投資(通称=緑本)」と、「株式投資の未来(通称=赤本)」の理論をベースとした投資になっています。
シーゲルの「株式投資」簡単解説
まずは、先に出版された、「株式投資」について、簡単に解説しましょう。
緑本は、学者のシーゲル教授らしく、株式投資の有効性について、理論的に述べています。
緑本は全21章からなる長編で、読み応えがあるので、よければ、一度読んでみるとよいでしょう。
読む時間がないという人のために、重要なポイントをかいつまんで紹介します。
株式投資は長期的に、安定したリターンをもたらず
1章では、超長期の株式、債券のリターンをそれぞれ示しています。
図をみると明らかなように、200年という超長期のスパンにおいては、株式は1270万倍というリターンをもたらしています。株式が、長期的には高いリターンをもたらすということを、過去から示してくれているのです。
もちろん、短期的には、マイナス成長だった都市もあります。1930年代や、1970年代にはマイナス成長した期間があるのは、グラフからも見て取れるでしょう。しかし、長期のスパンで見れば、株式は確かに高いリターンをもたらしているのです。
株式と債券は逆のリターンを示す。
また、株式と債券の関係についても触れています。1997年以降、株式と債券が逆相関を表している点にも注目すべきでしょう。シーゲル氏は、株式と債券の相関について、以下のように述べています。
「1997年から2001年にかけて、世界全体と各国経済はアジア通貨危機による混乱に振り回され、日本はデフレに苦しみ、そして9・11同様多発テロが起こった。通貨の暴落と商品価格の下落は、デフレが支配していた1930年代の状況に恐ろしいほど似通っており、国債が唯一の金融資産として重視された。結果として、株式と米ドル以外の通貨が急落したとき、世界中の投資家が米国債に資金を非難させた。米国の長期国債は、株式相場の暴落を恐れる投資家にとって格好の資金の退避先となったのである。」
この考え方は、現在も有効です。有事の際は、やはり資金が米国債に流れます。かたや、リスクを取る際は、国債は売られ、利回りが上がる形になります。実際、株式投資の中でも、一定程度債券をポートフォリオに組み込むことの重要性がかかれています。
PERが低く、配当利回りの高い株は、リスクが少なくリターンが高い
多くのシーゲル流が注目しているのは、この部分になります。シーゲル氏は、株式投資の中で、配当利回りの高い株に投資することを進めています。
しかし、実際は、これ以外にも、米国以外にも国際分散投資をすることや、低コストのインデックスファンドに投資する重要性も語っています。
確固たる戦略を持ち、長期的に投資を行うこと
そして何より、ぶれない戦略を持つことが大事だと説いています。株式投資では、心が折れそうになることが何度もあります。その際に、本書を読み返し、原理原則に立ち返ることを勧めています。
シーゲル流投資とは何か? まとめ
シーゲル氏は、経済学や金融を専攻している大学教授です。彼の書いた「株式投資」「株式投資の未来」は、多くの投資家がバイブルとしており、彼の名はアメリカ株に投資している人では、知らない人はいないでしょう。
彼は、「株式投資」の中で、株式は安定的なリターンをもたらすこと、株式と債券は逆相関があること、PERが低く、配当利回りの高い株は、リスクが少なくリターンが高いこと、そして何より、確固たる戦略を持ち、長期的に投資を行うことの重要性を説いています。少し専門的な内容もありますが、読んでみて損はないでしょう。
次回は、株式投資の未来について、そして、シーゲル流投資について、解説していきたいと思います。
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