VIX先物に投資する方法を解説【ETF or CFD】

ETFVIX1552

前々回、前回と、VIX指数について解説を行ってきました。

VIX指数は恐怖指数とも呼ばれる指数で、コロナショックのように市場が不安定になると、急伸する指数になります。(実際、一時的にリーマンショックの時の数値を超えたことで、大きく注目を集めています。)

しかし、複雑な指数となっており、仕組みがわかりづらいことに加え、VIXとVIX先物では、値動きが大きく違うことなどもあることから、よく理解した上で投資することをお勧めします。

前回の記事⇒VIX指数とVIX指数先物の違い(コンタンゴとバックワーデーションを解説)

今回は、実際に、VIXを使う投資はどのようなものがあるのか、メリット・デメリットを含めて紹介します。

VIX先物を使った投資は主に2種類

今、日本で買えるVIX指数を使った投資は、主にVIX先物を使った投資になります。

そして、主に以下の2つがあります。

  • VIX先物の投資信託・ETF
  • VIX先物のCFD(差金決済取引)

では、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

VIX先物の積立、長期投資は基本的にはおすすめしない。

まずは、VIX先物を使った投資信託・ETFから見ていきましょう。

投資信託では、メジャーな証券会社で買えるVIX連動の投資信託というのは、実はあまりありません。楽天ボラティリティ・ファンドのような投資信託もあるにはありますが、商品がさらに複雑ですので、個々では割愛します。

日本のETFだと、以下がVIXを活用したETFになっています。いずれもVIX先物指数を使ったETF/ETNになります。

<1552>国際のETF VIX短期先物指数
<2035>NEXT NOTES日経平均VI先物指数ETN

<1552>国際のETF VIX短期先物指数のチャートを見てみましょう。VIX先物と同じような動きをしており、長期では大きく減価しています。

ETFVIX1552

(出所:SBI証券)

こちらのETFですが、積み立て投資や長期投資をすることはおすすめしません。

なぜなら、基本的に、VIX先物はロールオーバーの先にコンタンゴになりやすく、結果、長く持てば持つほど、価値が下がるものだからです。

では、どのように持てばいいのでしょうか。2つあります。

1つはショートで保有し、値上がり益を狙う。もしくは底値と思われる部分で買って、価格が上がったら売るという戦略です。

ショートについては、長期的な減価もあり、そこで利益を狙うことができます。
(※ただし、1552ETFはCFDに採用されておらず、ショートはできない。空売りも規制中)

しかし、コロナショックのようなことが起こると、利益を逸するどころか、大きな損失(特に信用でレバレッジをかけていた場合)を受けることがあります。

ただ、長期的な目線でレバレッジ少なく行うのであれば、それほど悪い話ではありません。(あくまで私はそれであればS&P500の長期保有を進めますが・・・)

一方、S&P500のヘッジとして、中期(2-3年)で持つのも1つの手です。しかし、あくまで買うのは相場が落ち着いた底値の時であって、今のような時期ではないでしょう。

償還リスクにも注意したい

もう1つ、ETFを持つうえで注意したいのが、償還リスクです。ETFの中には、急な値動きが発生した場合、それ以降の募集を停止し、ETF自体を償還(手じまい)するケースがあります。

かつて、野村證券が、NEXT NOTES S&P500 VIX インバース ETNというVIXの逆の動きをするETNを販売していましたが、こちらは、株価の急落に伴い、一晩で価格が98%以上下落して、そのまま償還されるということがありました。

こういう指数のETFやETNについては、償還リスクがあることも頭においておいた方がよいでしょう。

米国のVIX先物ETFは日本で買うのは難しい?

米国ETFでは、VIXを使った商品がいくつもありますが、基本的に、日本で買うのは難しいようです。主なETF/ETNには以下のようなものがあります。

  • VXX iパス・シリーズB・S&P 500・VIX・ショートターム・フューチャーズ・ETN
  • VIIX ベロシティシェアーズ・デイリー・ロング・VIX・ショートターム・ETN
  • VIXY プロシェアーズ・VIX・ショートターム・フューチャーズ・ETF
  • VXZ iパス・シリーズB・S&P 500・VIX・ミッドターム・フューチャーズ・ETN
  • VIXM プロシェアーズ・VIX・ミッドターム・フューチャーズ・ETF

CFDの基本戦略も同じ。長期投資ではおすすめしない

では、ETFではなく、CFDを選んだ場合はどうでしょう。こちらも基本的には、ショートでの長期保有か中期での暴落狙いになるかと思います。

しかし、CFDの場合、ETFに比べてもよりレバレッジがかかりやすい状況にあることが多いです。

VIX指数で投資を行う場合は、必ず資金管理を丁寧にするようにしましょう。個人的には、最大でも1割程度にしておくべきだと思っています。

まとめ

VIXへの投資は、日本で行うのであれば、VIX先物のETFの投資または、CFDを使った投資になります。いずれの場合であっても、VIX先物が長期的に減価する指数である以上、積み立てや長期投資はおすすめしません。

ショートで長期保有するか、または中期で暴落狙いで保有することになるかと思います。いずれの場合であっても、リスクが高い投資には変わりありません。きちんと資金管理をしながら、小額投資からはじめることをお勧めします。

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