通信業界は安定した高配当?AT&Tの特徴と今後の動きを解説
2019年の相場環境は、決していいものではないかもしれません。これまで順調に来ているように見えますが、イールドカーブが逆転したこともあり、今後の相場環境に対して、楽観的な見方はできない、と思っている人も多いでしょう。
そういった時に、どのように相場を乗り切るか、というのは重要なことです。
私は、一つの案として、利益確定する、なかなか減配はない、という理由で、インカムゲインをお勧めしています。そういった中で、これまで、タバコ株、原油株、飲料株を紹介してきました。
Contents
AT&Tの基本情報は?
まずは、AT&Tの基本情報を見ていきましょう。
- Ticker:AT&T
- 株価: 32.05ドル
- 時価総額:2330億ドル
- 利回り:6.36%
アメリカの通信キャリア事情は?
まず、AT&Tの話をする前に、アメリカの通信キャリア事情について、少し解説しましょう。
日本では、通信キャリアといえば、NTTドコモ、ソフトバンク、そしてAUの3社がシェア争いをしている状況ですね。最近では楽天モバイルやLINEモバイルといった、第三者が勢力を伸ばしつつありますが、実は彼らの通信の背景にあるのはこの3社です。
日本の通信業界は、この3社を中心に動いているといっても過言ではないでしょう。
一方、アメリカはどうでしょうか。アメリカは、4社を中心に通信キャリア業界が構成されています。その中でも、ベライゾンとAT&Tの2社が、大きなシェアを持っており、首位争いをしています。
3位、4位はT-mobileと、ソフトバンクが買収したスプリントですが、これらは上位2社に大きく水をあけられています。
通信キャリア業界は、設備投資、および保守に多額の投資がかかります。そういう意味で、ある意味、大手の寡占が進む業界なのです。
一方で、通信キャリアにおいて、最も差がでるのが料金です。
もはや、繋がりやすさは、日本でもアメリカでも、特にキャリアにおいて差異があるわけではありません。したがって、消費者は価格を比較し、キャリアを決めることが多くあります。そのため、キャリア各社は、常に価格競争にさらされていると言っても過言ではないでしょう。
もう1つ、アメリカと日本で大きく異なる点があります。それは、「日本の人口は減少しているが、アメリカの人口は増加している」ということです。そのため、アメリカの携帯電話の加入者は、いまだ右肩上がりです。その観点では、日本よりビジネスがしやすい環境であると言えるでしょう。
(出所:世界経済のネタ帳)
AT&Tはメディア業界に進出するも、道のりは長い
では、その中で、AT&Tはどういった戦略をとっているのでしょうか。
実際の戦略を見てみましょう。
AT&Tに限らずですが、通信業界は通信だけで十分な利益を得るのは難しい状態になっています。
NTTドコモがdTVといってメディア業界に打って出ているように、通信以外の道を探すしかありません。
アメリカにおいてもこれは同様です。各社、通信以外でどう収益を上げるか、に注力している状況です。AT&Tも例によらず、今はメディア業界に進出しています。
2015年にディレクTVを買収し、昨年には、タイムワーナーの買収が認可されました。今後、コンテンツビジネスで利益を得ようとしていることが窺えます。
しかし、メディア業界も決して楽な道ではありません。ディズニーやユニバーサルなど、競合も多く存在します。AT&Tは新規参入であり、成功を約束されているわけではありません。
NetflexやAmazonのような他業界からの参入もあることから、業界を広げることが成功につながるとは限らない、ということは理解すべきでしょう。
AT&T(T)株のパフォーマンスは?
では、AT&T株は、どのようなパフォーマンスになっているのでしょうか。まずは、チャートを見てみましょう。
(出所:Yahoo! Finance)
AT&Tの過去5年の株価はあまり芳しくありません。2017年には一時高値を付けましたが、今は低迷しています。AT&Tの株式を低迷させているのは、やはり通信不況です。
通信会社は常に値下げ圧力にあることから、あまり株式市場では評価されていません。バッドニュースがあると、下げてしまうのが通信会社なのです。
しかし、配当利回りで見ると、6%を超えているのというのは魅力的です。しかも、35年連続増配しており、今後も安定した配当が期待できると言えるでしょう。株価が低迷している今は、買い場であるともいえるでしょう。
しかし、これ以上の下げの可能性は一方、上がりづらいのも通信株の特徴であるとも言えます。
AT&T株の購入方法 取扱証券会社
AT&T株の購入方法ですが、サクソバンク証券の海外株口座で取扱っています。
参考:サクソバンク証券の米国株の評判と特徴を徹底分析【他社比較で手数料が安い】
手数料等もSBI証券などの日本の証券会社よりも安いので、海外株投資家にはおすすめの口座です。
通信業界は安定した高配当?AT&Tの特徴と今後の動きを解説 まとめ
AT&Tは、アメリカの通信キャリアの中でも、ベライゾンと並ぶ最大手企業になります。しかし、株価は現在低迷している状況です。
しかし、AT&Tは過去に安定した配当を出しており、株価の水準から見ると、買い時といえるかもしれません。配当が安定しており、連続増配の年数が長いのも魅力的だと言えるでしょう。
しかし、通信キャリアは、常に値下げ圧力にさらされていること、さらに、AT&Tが進出しているメディア業界も競争が激しいことを考えると、決してAT&Tの未来は明るいとは言えないかもしれません。しかし、6%超の配当利回りは魅力的です。
インカムゲインがメインであれば、やはり、通信株は避けて通れません。今、利回りが高いAT&Tも、投資対象としては魅力的だと言えるでしょう。
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