どんどん増える大麻合法の国!これからは、「大麻ビジネス」に投資妙味あり?
マリファナ、大麻と聞けば、多くの日本人は、「違法」という認識を持つのではないでしょうか。
しかし、世界を見ると、今や、多くの国や地域で、大麻は合法化されつつあります。
実際、10月17日には、カナダで大麻が全面合法化されます。このように、多くの国が大麻合法化されるなかで、大麻ビジネスというのも注目されています。
今回は、投資という観点から、大麻ビジネスについて、考察していきたいと思います。
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カナダでは10月17日から大麻が解禁に
大麻は、つい最近まではもちろん違法でした。
しかし、2012年に、アメリカのコロラド州とワシントン州で大麻が合法化されたのを皮切りに、複数の州で合法化されています。
そのほかにも、ヨーロッパでは、オランダやスペイン、チェコなどが合法化されていますし、ドイツやイタリア、フランスなどでは、合法化こそされていないものの、非犯罪化(合法ではないものの、取り締まりを受けない状態)になっています。南米でもウルグアイやチリは合法化されています。
そして、今回、カナダで、全面的に大麻が合法化されるのが、10月17日です。この10月17日以降、さらに世界中で大麻の解禁が加速されるのではないかと言われています。
大麻が合法化になる背景とは?
大麻、およびマリファナは、一般的にはドラッグと呼ばれる薬物です。
では、なぜこれらが解禁になるのでしょうか。
まず、研究が進むことにより、大麻の安全性が認められてきたことによることが大きいです。
大麻研究は昔から行われており、1944年のアメリカでの「ラ・ガーディア委員会」では、大麻に興奮作用や禁断症状がないこと、犯罪と大麻使用との間には、直接の相関関係が無いこと、数年に渡って大麻を使用しても、精神的・肉体的に機能が落ちることは無いことなどが報告されています。
1970年には、WHO(世界保健機関)からも、大麻には激しい障害や習慣性、禁断症状はなく、健康上は、アルコールやタバコ程度、もしくはそれ以下しか問題がない、という研究が発表されているのです。
さらに、この2012年、大麻が合法化された後にもレポートが出ており、そのレポートでは、合法化後、マリファナによる逮捕件数は減少しており、マリファナ合法化は、オピオイド関連の害の発生率の低下につながっており、また、中毒事故もすくない。
さらに、税収が当初の予測を上回ったり、マリファナ産業が雇用を生み出しているということも書かれています。
このように、マリファナや大麻を非合法のものとして、アンダーマーケットで流通させるより、国や州が正しく管理をしたほうが、全体としてリスクを小さくできるということが分かっています。
カナダのマリファナ合法化にも、このような背景があったことは想像に難くありません。
もちろん日本では犯罪。アジア各国でも非合法の国が多い
現時点では、日本ではもちろん違法です。
大麻取締法により、大麻の所持・譲渡・譲受については、5年以下の懲役、営利目的であれば7年以下の懲役が科されます。また、悪質性の高いものについては最大で200万円の罰金があります。
大麻の栽培・輸出入については、7年以下、営利目的であれば10年以下の懲役。また、悪質性の高いものについては最大で300万円の罰金が科されます。
また、国外犯処罰規定も定められており、「日本国外にて大麻をみだりに輸出入・栽培・譲渡し・譲受け・所持等の行為を行った者についても、日本の法律による処罰対象」となっています。
つまり、カナダでマリファナを吸うこと自体は、これから問題がなくなるのですが、日本人である場合は、厳罰を受けることになります。
大麻は現時点では厳罰ですので、もし日本人であるならば、むやみに触ったり近づいたりしないほうがよいでしょう。
日本同様、アジアの国では、まだまだ大麻に関しては厳しいイメージを持つ国が多くあります。現在非犯罪化されているのはイスラエルやアラブ諸国の国1部だけで、中国や韓国なども厳罰に処されます。
大麻合法化で、アメリカで何が変わった?
では、大麻合法化で、実際、アメリカで何が変わったかについて、見てみましょう。
大きく変わったのは、大麻ビジネスが生まれたことです。例えば、現在、大麻は非常にオシャレなパッケージで売られることもあります。
大麻のドライブスルーができるというニュースもあるなど、大麻ビジネスが実際に経済を回しているのです。
また、大麻の使用については、若年層よりもシニアのほうが多く、シニアによる大麻ツアーなども実践されています。
また、大学の分野でも、大麻に関する学問が生まれています。ノーザンミシガン大学では、医療用大麻に関する履修過程が誕生しました。生物学や会計の知識なども求められるなど、様々な知識を複合的に学べる学問になっているそうです。
このように、大麻合法化により、大麻に関連した産業が学問が生まれ育っています。アルコールが流通するようになって醸造学が生まれたように、今後の大麻の浸透度によっては、このビジネスがさらに大きくなることも予想されます。
現在、アメリカの大麻ビジネスの市場規模は1兆円と言われています。まだ、市場規模だけを見ると小さいかもしれませんが、世界のタバコ市場は80兆円前後といわれています。
逆に言えば、大麻市場も、同じ嗜好品として、これくらいの市場規模に成長する可能性もあるわけです。
大麻ビジネスは投資のチャンスか?注目されている3社とは?
現在、大麻ビジネスとして注目されている会社が3社あります。
それは、クロノス・グループ、キャノピー・グロース、ティルレイの3社です。いずれも本社はカナダになります。
これらの企業がなぜ注目されているかというと、いずれも、今年に入って上場した企業だからです。
クロノス・グループは2月にナスダックに、キャノピー・グロースは5月にニューヨーク証券取引所に、ティルレイは7月にナスダックに上場しました。
上場したということは、我々でも株式を買うことで、大麻ビジネスの恩恵を受けれるということです。
実際のところ、日本人である我々が、大麻をビジネスとするのは、相当ハードルが高い側面もあります。
しかし、投資であるならば、罪に問われることはありません。今後、市場規模の拡大に伴う成長の恩恵を受けることができるのです。
では、具体的に、三社の株価やビジネスの概要などを説明しましょう。
クロノス・グループ
クロノス・グループは、純粋に大麻をビジネスとしている会社ではなく、投資会社になります。
しかし、その投資先が、大麻関連企業です。なので、大枠では、大麻関連株式といって問題はないでしょう。
投資先は、医療用大麻や大麻油などの企業になります。アメリカの株式市場に初めて投資を行った大麻関連銘柄であり、大麻関連銘柄で構成するETFである、ETFMG Alternative Harvest ETF(MJ)の主力銘柄でもあります。
つい最近まで、クロノス・グループの株式は日本で買うことはできなかったのですが、最近、マネックス証券が取り扱いを始めました。
クロノス・グループのチャートは以下の通りです。
上場後、一時は1ドル近辺まで下がったものの、現在は10ドル前後となっています。
時価総額は約2000億円と、それなりの規模の時価総額を持っています。
(出所:Yahoo!ファイナンス)
キャノピー・グロース
キャノピー・グロースは、医療用大麻の大手企業になります。主にカナダで医療用大麻を販売しています。医療用大麻の“Tweed”、“Spectrum Cannabis”、“Bedrocan”などが主力の商品群となります。
キャノピー・グロースの株式についても、マネックス証券から買うことができます。
キャノピー・グロースのチャートは以下の通りです。上場してからキレイな右上がりになっています。
大麻ビジネスの発展性に、多くの人が期待しているということでしょう。時価総額は1兆円を超えています。
ティルレイ
ティルレイも、医療用大麻の開発・製造・販売を行う会社になります。医療用大麻はすでにアメリカでも合法であり、大麻がタバコ以上に市場規模が大きいと考えられているのは、大麻が医療用にも使うことができるという点からです。
ティルレイのチャートは下記になります。ティルレイは一時期大きな乱高下を繰り返しましたが、現在は落ち着きつつあります。こちらも時価総額は1兆円を超えており、今後のビジネスの拡大に期待がもたれています。
こちらもマネックス証券で取り扱いが始まりました。
(出所:Yahoo!ファイナンス)
あの大手企業も大麻ビジネスを検討
他にも、大麻関連で注目すべき企業というのはあります。主なものを2つ紹介しましょう。
1つは、タバコ大手のアルトリア・グループです。アルトリア・グループはカナダの大麻生産会社Aphriaの株式取得を協議しているという報道が入りました。
確かに嗜好品という観点では、タバコと大麻は近い位置にあります。加えて、タバコの市場は、現在はほぼ横ばいという状況です。その観点で行くと、この買収交渉は非常に合理的であると言えるでしょう。
もう1社は、コカ・コーラです。コカ・コーラは大麻草から抽出されるカンナビジオールという成分を配合した飲料に関心を寄せており、カナダのオーロラ・カンナビスと飲料開発について協議中だそうです。
大麻が合法化したことで、こういった大麻に直接関連のない企業であっても、大麻関連ビジネスが生まれることがあるのです。
大麻関連銘柄はマネックス証券で購入可能
大麻関連銘柄ですが、現在のところサクソバンク証券、マネックス証券で取扱が始まっています。
以前「【外国株と日本株取引】おすすめのネット証券会社はどこか?徹底比較してみた。」でも買いましたが、マネックス証券は米国株の取扱銘柄数では他社を圧倒しています。
最近、上場したティルレイも取り扱っています。
今後、大麻合法国が増えるたびに関連銘柄の株価は上昇していくでしょうし、今のうちに投資をしておくというのは良い投資戦略かもしれませんね。
手数料面でいくと、2018年より外国株口座を開設したサクソバンク証券がおすすめですね。
参考:サクソバンク証券の米国株の評判と特徴を徹底分析【他社比較で手数料が安い】
まとめ
10月17日に大麻がカナダで解禁になることは、もしかすると、大麻が産業として成り立つ、転換点になるかもしれません。実際、ヨーロッパや南米でも、大麻の合法化、非犯罪化が進んでおり、世界レベルで見ると大麻は解禁の方向に動いています。
今はまだ1兆円程度のビジネスですが、タバコが80兆円ビジネスであることを考えると、大きなポテンシャルを持っているといえるでしょう。
その中でも、クロノス・グループ、キャノピー・グロース、ティルレイは、アメリカの証券市場に上場した大麻関連企業ということで、順調に株価を伸ばしています。
今後、大麻ビジネスが広がると予測されるのであれば、こういった銘柄に注目しておくのも、悪くないかもしれませんね。
※2018年10月からサクソバンク証券が米国株・欧州株の取扱を開始しました。手数料的にもこちらがいいかもです。
⇒サクソバンク証券の米国株の評判と特徴を徹底分析【他社比較で手数料が安い】
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