債券でもハイリターンを得ることができる?債券のベアETF「TTT」を紹介
これまで、サクソバンク証券を通じて購入できるETFとして、Nasdaq100の3倍に連動するETFであるTQQQと、フィラデルフィア半導体セクター指数の3倍に連動するSOXLというETFを紹介しました。
TQQQについて⇒ハイリスクハイリターンのETF「TQQQ」【特徴と購入方法について】
SOXLについて⇒ハイリターンETF「SOXL」の株価の特徴と購入方法について
いずれもレバレッジドETFであり、この5年間、ハイテク、半導体それぞれのセクターが好況だったことから、高いリターンをもたらしていました。
しかしながら、2018年は、相場が停滞気味であり、かつ、10月の相場が荒れたことから、TQQQ、SOXLともに、今年に限って言えばリターンは芳しくありません。
特に、SOXLはマイナスリターンになっています。
しかし、逆に、今年に入ってから好調のETFというものもあります。
今回は、そのETFの1つである、TTTを紹介したいと思います。
Contents
TTTとは、どういうETFなのか
まず、いつものように、TTTがどのようなETFなのか、紹介したいと思います。
TTTは正式名称をウルトラシェアーズ・ウルトラプロ・ショート・20年超債といいます。
ウルトラシェアーズ・ウルトラプロというのは、TQQQの時にも出てきた
「プロ向きの、専門家向けの」商品ということです。
ショートというのは売りを指します。20年超債というのは、米国債の超長期債を指します。
つまり、このETFは、「専門家向けの、米国超長期債を、ショート(売り)の指数」に連動するETFなのです。
そして、このETFも、3倍のレバレッジが効いています。要するに、国債価格が下がれば下がるほど、リターンが高くなるタイプのETFだといってよいでしょう。
TTTも、現状、大手の日本の証券会社では販売されていません。
現時点でTTTを変えるのは、サクソバンク証券を通じてのみになります。
TTTのパフォーマンスは?リターンはどう?
では、TTTのパフォーマンスについて見てみましょう。
まずは、いつも紹介している5年のチャートを見てみたいと思います。
(出所:Bloomeberg )
5年で見ると、価格は大きく下がっています。2014年には94ドル前後の価格をつけたこともありますが、2016年には一度20ドルにタッチしており、現在は30ドル前後の価格となっています。
最もポピュラーな債券ETFである、総合債券ETF「BND」と比較してみましょう。チャートは以下の通りです。
(出所:Bloomeberg )
BNDは価格が動きづらい(=安定している)ETFとして知られています。
最近は少し下落傾向であり、ここ5年で-4%ですが、TTTは-64%になっています。これを見ても、長期ではTTTはマイナス傾向が強いことがわかるでしょう。
しかしながら、チャートを1年にしてみると、がらっと見える景色が変わってきます。1年チャートを見てみましょう。
(出所:Bloomeberg )
このように、BNDが相変わらずほぼ変化がない中で、TTTは、途中上げ下げを繰り返しながらも、着実に上昇しており、過去1年で+20%のリターンを出しています。
なぜ、ここにきて、TTTのリターンが上がっているのかというと、それは、金利と国際価格の影響によるものが大きいです。
国債価格はこれからも下がる?それはなぜ?
まずは、国債価格を見てみましょう。超長期同士の比較ということで、30年債の利回りを見たいと思います。
(出所:https://www.bloomberg.co.jp/quote/USGG30YR:IND)
このように、2016年に底をつけた後、徐々に回復傾向にあります。すでに3%を超え、3.5%の水準に近づこうとしています。
こうなっている背景にあるのは、FRBによる利上げの影響です。
FRBは、米国の好景気を理由として、政策金利を上げようとしています。
政策金利があがると、金融機関の利回りや、国債の利回りは一般的に上がります。
こうやって金利があがると、お金を借りる人が少なくなり、投資が小さくなるため、景気が落ち着くのです。
一方、国債の利回りが上がるということは、国債価格は下がります。
なぜなら、国債発行時点の利回りに変更はないため、国債の利回りがあがるということは、国債の市場価格が下がるということなのです。これが、金利と国債の値段の関係になります。
では今後、国債価格はどうなるのでしょうか。私個人の意見としては、しばらくは国債価格は下がるものだと感じています。
なぜならば、アメリカは依然として好景気が続いているため、FRBとしても金利を上げていくものだと予想されるからです。
少なくとも、急激に政策金利が下がることは考えづらいでしょう。
そうなると、国債価格が上がるということは、現実的には考えづらいです。逆にいえば、ショートの国債のETFは、今後、価格が上がる可能性を秘めているといえるでしょう
「TTT」の購入方法 取扱証券会社
TTTですが、こちらもサクソバンク証券の海外株口座で取り扱っています。
手数料等もSBI証券などの日本の証券会社よりも安いので、海外株投資家にはおすすめの口座です。
参考:サクソバンク証券の米国株の評判と特徴を徹底分析【他社比較で手数料が安い】
債券のベアETF「TTT」:まとめ
債券は元来値動きの少ない資産として知られています。
しかし、債券を活用したETFである、TTTは、今年に入ってから+20%以上と高いリターンを出しています。
このTTTのリターンがなぜ高いかというと、債券を「売り」で持てるETFであり、かつ3倍のレバレッジが効いているからなのです。債券は、金利が上がる局面では、価格が下がることが想定されます。
そのため、この「TTT」は、金利が上昇局面にある今こそ、魅力的なETFだといえるでしょう。
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