サラリーマン投資家が、分散投資を考えるうえで、ローリスク~ミドルリスクの、先進国株式は外せないでしょう。
特に先進国の中でも、全世界の株式の半分のシェアを占める、アメリカ株式は安定性に加え、成長性の面でも、グローバルの成長の恩恵を受けることができるため、期待できる市場といえるでしょう。
参考:長期投資には米国株(先進国株)がおすすめであると断言できる理由
しかし、そんなアメリカ株ですが、ひとことでアメリカ株式といっても、銘柄は数千とあります。
そんな中で、どういう銘柄を選べばいいか、わからないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、まずそのはじめとして、個別株を選ぶべきか、それとも投資信託・ETFを選ぶべきなのかについて、解説したいと思います。
アメリカの株式の種類は、5000社以上。アメリカ以外の企業も買える
アメリカの主な取引所は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック(NASDAQ)になります。
合わせると、5000社以上の銘柄が買えるわけです。
ちなみに、日本は約3600社なので、日本の約1.5倍くらいと理解しておくとよいのではないでしょうか。
さらに、アメリカの市場に上場していると言っても、アメリカの企業だけではありません。
米国市場ではADR(米国預託証券)という制度があり、アメリカ以外の国の株式も上場が可能です。ADRで上場する企業は、母国市場に上場しながら、ADRという形で米国市場にも上場しています。ADRを使うことで、ヨーロッパなどの株式にも投資することが可能なのです。
日本の企業だと、任天堂や三菱UFJフィナンシャル・グループがADRを使ってニューヨーク証券取引所に上場しています。
個別株かファンドで買うか?
では、アメリカの株式を、どうすれば買うことができるのでしょうか。簡単に言うと、方法は2つあります。
1つは、個別の株式を買うことです。これは、もっともみなさんになじみ深い、わかりやすい方法ではないでしょうか。
たとえば、アップル社であったり、コカ・コーラ社であったり、自分の好きな会社の株を買えばよいのです。これは、米国株の取引が可能な証券会社に口座を作成し、入金するだけで、理論上は買うことができます。
基本的にはドル建てでしか買えないのですが、証券会社によっては、時価で円換算してくれて、円で購入することも可能です。アメリカの株式は安いものだと1株2000円くらいから購入可能です。
個別株のデメリットは、1つの会社なので、業績の影響を受けやすいということがあります。
たとえば、その会社が倒産してしまったら、株式の価値はなくなります。そういったリスクがある一方、業績がよければ株価が急騰するなど、プラスの側面もあります。
もう1つは、投資信託を買うことです。投資信託とは、複数の株式や債券を纏めて、ファンド化し、金融商品にして販売する手法です。基本は、日本の信託銀行や証券会社で買うことができます。
投資信託のメリットは、1つのファンドで複数の会社に投資できる、という点です。
たとえば、S&P500という、アメリカを代表する500社の平均に投資する、iFree、S&P500インデックスという投資信託があります。これは、この投資信託を1本買うことで、S&P500社全体に投資したことになるのです。
アメリカの株式市場には様々なインデックス指標があり、その指標に連動するよう作成された投資信託も多くあります。また、円建ての投資であり、積立投資や、自動でリバランスを行ってくれるなど、手間がかからないのもメリットと言えるでしょう。
一方、デメリットは、自由度が少ないということです。
投資信託だけだと、個別の株式のように強弱をつけて投資することはできません。また、複数の株式を買って、金融機関が運用する商品になります。そのため、信託報酬という手数料がかかってきます。最近は手数料の水準は下がりつつあるものの、これも1つのデメリットと言ってよいでしょう。
また、株式は一日のうちに、何度も売買することができるなど、また、1日のうちで価格が何度も変わるなど、機動力が高いのが1つのメリットですが、投資信託の売買は1日に1度しかできません。かつ、売買に若干のタイムラグがあるため、売買価格がぶれるというリスクもあります。
まとめ
アメリカ株に投資すると一言でいっても、アメリカ株はNASDAQとニューヨーク証券取引所で合わせて5000以上の銘柄があります。また、アメリカの市場では、ADRと呼ばれる制度があり、アメリカ以外の国の株式も買うことができます。
株の買い方は、大まかに分けると、「個別株か、ファンドか」という形で分かれます。個別株の場合、1企業の影響を大きく受けやすいということが特徴です。
ただ、その分、値上がりの恩恵もうけやすく、また、わかりやすいのが一番の特徴でしょう。ファンドの場合は、いくつもの企業をまとめて買うことができる、リバランスが自動でされる等のメリットがあるものの、信託報酬がかかったり、また、機動力の部分では劣後するなどのデメリットがあります。
次回は、株式とファンドの間である「ETF」の紹介と、サラリーマン投資家として、どこを組み合わせるとよいのかについて解説したいと思います。
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