前回は、全米の市場全体に投資するETFである、VTIについて紹介しました。
前回の記事⇒海外ETFで人気のVTIの魅力について【VOOとリターンを比較
S&P500のインデックスファンドであるVOOと比較しても、遜色ないパフォーマンスを出している同ETFになります。VOOではカバーしていない小型・中型銘柄をカバーしており、これらの恩恵を受けることができるという点で、特に景気拡大局面において人気が高いETFになります。
S&P500連動型、およびVTIで1位~4位を独占している海外ETFですが、第5位なのがEFAになります。
1位~4位は海外ETFとして、日本でも人気があるETFになりますが、EFAはあまり人気がないETFになります。なぜ人気がないのか?も含めて、本商品の特徴などを解説していきましょう。
Contents
EFAとはどういうETFなの?北米以外の先進国の大型、中型株式をカバーするファンド
まず、EFAとはどういうETFかについて、解説していきましょう。EFAは、MSCI EAFE Indexと呼ばれる指標に連動するように作られたETFです。
海外ETFの中でも人気が高く、純資産高ランキングでは5位につけています。
(画像はMyIndexより引用)
MSCI EFAE Indexとは、MSCIと呼ばれる、アメリカにある会社が出している指標になります。
MSCIは、多くの指標を出しており、特に日本においては、MSCI コクサイと呼ばれる指標がよく知られています。
そのMSCIを代表する指数が、MSCI EFAE Indexになります。EFAEとは、Europe、Australia、Far Eastの略で、ヨーロッパ、オーストラリア、極東地域をカバーしている指数になります。
北米を除くすべての先進国が対象となっており、各国の主要株式の85%をカバーする指標となっています。
つまり、簡単にいうと、「北米以外の先進国の大型、中型株式をカバーするファンド」ということになります。
SPYやVOOがS&P500をカバーするのに関して、補完的な役割を担っていると言えるでしょう。
EFAについてさらに深く知る 投資パフォーマンスについて
もう少し深く見ていきましょう。
まず、気になるパフォーマンスです。設定来からのチャートを見てみましょう。
リーマンショックの時に大きく落としているものの、その後は順調に右肩上がりですね。
しかし、VOOと比べてみると、成長が弱いことがわかるかもしれません。次の表は過去5年のVOOとの比較チャートです。青がVOO、オレンジがEFAです。VOOに比べると、弱く見えてしまいますね。
それだけアメリカの市場が強いということでしょう。
(出典:Bloomberg)
次に、経費率を見てみましょう。経費率は0.32%です。インデックスファンドとしてはまずまずの経費率と言えるでしょう。特段安いわけではありません。
次に、ファンドの投資先を見てみましょう。
実は、最も多いのは日本です。約1/4を日本株が占めています。そのあと、イギリス、フランスと続きます。市場の規模が大きい国から順番、という形ですね。
投資対象の株式の上位銘柄です。世界的な企業が並んでいます。日本からはトヨタが3位に食い込んでいます。上位にくるのが、比較的伝統的な企業であります。
一方VOOの場合は、GoogleやAmazonなどの超メガベンチャーが上位を占めています。
これが、ETFのパフォーマンスの差につながってるとも言えるでしょう。
分配金利回りは1.96%と、2%をやや下回るくらいです。
こちらも、株式の上昇に伴い、2%台だった利回りは1%台に低下しました。しかし、VOOよりは高い分配金利回りです。(VOOは1.7%台です。)
EFAはなぜ日本人には不人気?買うべきETFなの?
EFAは、では、なぜ日本人には不人気なのでしょうか。
その最も大きな理由としては、「日本株の構成比が高いこと」です。
日本株の大型株であれば、日本にも上場インデックスTOPIX100日本大型株というETFがあります。
こちらは経費率が0.2%と、EFAに比べると日本ゆえに割安になります。海外のETFを買うことで、二重に税金がかかることも見逃してはいけません。
コスト構造の部分で、日本株だけを見ると、割高に見えてしまうという側面もあるでしょう。
また、もう1つは、「海外ETFを買う人は、日本株を評価していない」という側面があります。
確かに、日本の市場は、株主重視とはいえず、アメリカやヨーロッパに比べて、株主還元が弱い側面があります。それを嫌った人たちが、海外株や海外ETFを買っているわけです。
そのため、日本株のポーションが多い本ファンドは、敬遠されていると言ってよいでしょう。
個人的には、あくまで補完的な役割としてなら、本ファンドを保有してもよいと考えます。
理由としては、安定した高い配当利回りが期待できる、ということです。
上記で示した銘柄の中でも、ロイヤルダッチシェルやHSBCは高い配当利回りを出すことで知られており、それが高い分配金利回りにつながっているのでしょう。また、基本的にはこれらの企業は、アメリカの金利上昇のような、アメリカ独特の要因を避けることもできるかもしれません。
アメリカだけが悪いケースというのはあまりないようにも思えますが、上位企業は安定している部分も多いので、ヘッジとして持っておくのは悪くないのではないでしょうか。
EFAはどこで買える?EFA買うならSBI証券で。
もし、EFAを買うのであれば、SBI証券がおススメです。国内、海外市場ともに、手数料が業界最安値クラスであることが魅力です。
EFAはメリカ株以外の市場をとれるファンド。補完的な形で持つならOK。
EFAは、ヨーロッパ、オーストラリア、極東の先進国をカバーしたファンドになります。各国の大型株を中心に投資しています。
EFAのパフォーマンスは、VOOより低いものの、VOOより高い分配金利回りがあります。これは、アメリカの上位企業に比べて、ヨーロッパ、日本の上位企業は、安定していることの現れとも言えるでしょう。
現状、日本の株やETF、ヨーロッパの個別株を持っている人は、特に必要ないと思います。しかし、アメリカ一辺倒では不安だという方であれば、このファンドを一本もっておくだけで、リスクヘッジにはなります。補完的な役割として利用すればよいでしょう。
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