ETFと個別株どちらで投資するのが良いのか?メリットデメリットを検証

ETFと個別株

ETFで投資するのが良いのか、個別株で投資するのが良いのか

このサイトでは、これまで、アメリカの株式(というより、米国市場に上場している株式)を一貫して勧めています。

参考:外国株投資

なぜならば、アメリカの市場は、世界で最も資金が流入している市場であり、また、最も自由競争が進んでいる市場であることから、健全な競争があり、市場自体がゆがみづらいと考えているからです。

また、資本主義の観点からも、最も株主に還元する姿勢が強いことも、米国株が、株式として優位性があることの一つのエビデンスになっていると言えるでしょう。

また、単純に、他の国に比べて、日本にいながらにして売買がしやすい、という側面もあります。

さて、そういった米国市場の中には、個別株と、ETFという上場投資信託とがあります。たびたび、本サイトでも、米国ETFと、個別株、両方を紹介してきました。

しかし、一歩立ち止まった時に、個別株とETF、投資をするなら、どちらをメインにするべきなのでしょうか。私は、年初のポートフォリオ紹介でも話をしたように、個別株とETFを、約半々で所有しています。

しかし、投資の中心に据えるのは、個人的にはETFであると考えています。

それはなぜなのか。投資に対する考え方とともに、ETFを投資のメインにする理由、さらには、ETFを選ぶべき場合、個別株を選ぶべき場合について、解説したいと思います。

まずはもう1度整理したい、ETFの仕組みとメリット

まずは、そもそもの、ETFの仕組みとそのメリットについて、再度おさらいしたいと思います。

ETFは、正式名称をExchange Traded Fund といいます。日本語の場合、上場投資信託と訳されます。なので、上場株と、投資信託の、2つの機能を持っていると言えるでしょう。

ETFのメリットは、次の5つで整理することができます。

市場が開いていれば、いつでも売買することができる

まず、上場していることのメリットです。通常の投資信託の場合、1日に1回しか売買することができません。(というか、値動きが1日単位なので、どこで売買しても同じ値段になります。)

一方、ETFの場合、市場が空いている間は、何度も売買することができます。リアルタイムな値動きをするため、極論を言えば、1日で値幅を取ることも可能です。

また、上場しているため、信用取引などを使うこともできます。こういった、取引のリアルタイム性、スピード感が、投資信託にはないメリットと言えるでしょう。

少額で分散投資が可能

ここからは、個別株との違いの比較から、メリットを見ていきましょう。もっとも大きな違いは、ETFは、個別株とほぼ同じ金額で、複数の銘柄に分散させることができるのです。

「卵をひとつのかごに盛るな」という言葉がある通り、投資においては、分散させることは、リスクを減少させる1つの方法です。

たとえば、最も買われているETFとして、S&P500に投資する、「SPY」というものがあります。これは、1つ買うだけで、アメリカの大きい企業500社に投資することができます。

500社に投資するということは、その分、倒産リスク等が小さくなるということなのです。このリスク分散が少額で出来るのが、ETFの大きなメリットと言えるでしょう。

米国以外にも投資可能

もう1つ、ETFのメリットとして、「米国市場を通じて、世界中に投資できる」ということです。基本的に、一部ADR(外国預託証券)などもありますが、アメリカの市場で買えるのは、アメリカの企業のみになります。しかし、ETFを使うことで、他の国の株式や、株式以外の金融商品も買うことができます。

たとえば、「VT」というETFを買えば、アメリカのみならず、世界中の株式に投資することができますし、「GLD」というETFを買えば、アメリカ市場を通じて、金に投資することができるのです。このように、選択肢が多いことも、ETFのメリットといえるでしょう。

ETFにもデメリットはある?

とはいえ、ETFは、万能な存在ではありません。もちろんETFにもデメリットはあります。主なデメリットは2つでしょうか。

信託報酬がかかる

ETFは、管理、運用をするのに、コストがもちろんかかります。その商品が特殊であればあるほど、コストが高くなるのが一般的です。ETFは、アクティブファンドに比べるとコストが安い傾向にはありますが、たとえ0.1%であろうと、コストはコストです。このコストを妥当と見るか、高いと見るかは人それぞれですが、コストがかかることには留意しておきましょう。

再投資等は自分でしなければならない

ETFも、株式の配当同様、分配金が出ることがあります。投資信託であれば、配当金や分配金を再投資する仕組みがあります。しかし、ETFは、分配金の再投資は自分でする必要があります。この手間がめんどくさい場合は、ETFよりも投資信託のほうが向いているかもしれませんね。

投資をマクロで捉えるか、ミクロで捉えるか

では、こういった特徴を踏まえ、個別株を投資の中心に据えるか、ETFを投資の中心に据えるか、について考えてみましょう。まずは、投資というものの捉え方を考えてみましょう。投資は、マクロの観点から考えることと、ミクロの観点から考えることができます。

ミクロの観点とは、「個別株にそもそも優位性があるかどうか」という観点です。たとえば、アマゾンという株があります。アマゾンの企業価値が今後上がるかどうか、アマゾンの業績が今後どうなるのか、を考えるのが、ミクロのアプローチです。

ミクロのアプローチの中で、今現在割安な株価かどうかを考えるのがバリュー投資で、今後、この株価が上がっていくかどうかを考えるのが、グロース投資といえるでしょう。言ってみれば、個別株に投資するということは、それがどの株式であれ、ミクロのアプローチであると言えるでしょう。

一方、マクロのアプローチとは、資金の流れからのアプローチと言えるでしょう。投資家達は、常にある程度合理的な判断によって、投資する商品を選んでいます。

たとえば、金の価格が割安だと感じれば、今後、金が上がると感じれば金に投資し、たとえばアフリカが投資対象として魅力的、今後資金流入がありそうだと感じれば、アフリカに投資する、こういったアプローチがマクロ的なアプローチになります。言ってみれば、テーマを決めて投資するETFは、マクロ投資に近いと言えるでしょう。

著名な投資家達も、どちらかのアプローチをとっています。たとえば、投資の神様とよばれるウォーレン・バフェットがとる、「ワイドモート」「事業の継続的な優位性」を見て投資する戦略は、ミクロ的なアプローチであると言えるでしょう。また、アメリカ株は割高で、欧州株にも分散すべきだと言っている、シラーPERの産みの親であるロバート・シラーは、マクロ的アプローチをしていると言えます。これは、どちらが優れているとはではなく、どちらからもアプローチできるということです。

個人投資家にはミクロ的アプローチは難しい?

では、個人投資家は、どちらのアプローチをすべきなのでしょうか。もちろん個人的な考えはありますが、私は、ミクロ的アプローチは、当たりはずれが大きいと感じます。

ミクロ的アプローチの難しさの1つに、決算数字を読むことが難しい、ということがあります。たとえば、クラフトハインツが代表的な例ですが、クラフトハインツが虚偽の決算をしている可能性があるなど、誰が信じることができるでしょうか。

虚偽の決算は言い過ぎにしても、数字を作るために、多少なりとも無茶な解釈をしているケースや、無茶なビジネスをしているケースというのは、日本企業、米国企業問わずあり得る話です。もちろん株式投資をする上で、決算の指標というのは非常に重要ですが、決算の指標も、人が恣意的に作っている数字であるという点は忘れずにいたいですね。

もう1つ難しいのは、ビジネスの継続的な優位性の話です。たとえば、ドイツ銀行は先日コメルツ銀行と合併しました。ドイツを代表する銀行ですら、合併するリスクがあるのです。これを10年前、誰が予測したでしょうか。また、アメリカでは、GEが没落しました。誰がGEの没落を予想したでしょうか。

今、株式市場は、GAFAの全盛期と言えるでしょう。では、GAFAは、10年後も、ビジネスの覇権を握っているのでしょうか。10年後の時価総額1位はアップルでしょうか。こういった問いに応えることが難しいのが、ミクロ投資の難しさだと言えるでしょう。

しかし、一発当たった時の大きさは、ミクロ投資の魅力ではあります。ただ、サラリーマン投資の場合、長期にわたりコツコツ資産を増やしていくことがメインになるでしょう。リスクも大きければリターンも大きい、それがミクロ投資なのです。

マクロは簡単、というわけではないが…

では、マクロ投資は簡単でしょうか。もちろんそういうわけではありません。ただ、マクロは大きな流れを予想する形になります。たとえば、ウォーレン・バフェットは、「S&P500に9割を投資しなさい」と言っているわけですが、これは、米国株が優位だ、という話をしているわけです。

一方、レイ・ダリオという著名投資家は、「金や債券も持て」といっているわけです。このような投資家の違いはあります。しかし、個別株を考える時のような企業分析は必要ではなく、今の市場ごとの動きを把握すれば、だいたいの投資方針というのは固まります。そういう観点では、マクロ投資の方が、投資にかかる手間というのは少ないでしょう。

また、市場全体に投資するということは、個別企業リスクは限りなく低減されます。その「リスク分散」という観点でも、マクロ投資の方が、初心者向けであると言えるのではないでしょうか。

まとめ

大きく分けると、個別株の優位性を語り、そこに投資するのがミクロ投資、市場全体の流れを読みながら、今後上がりそうなマーケットに投資するのがマクロ投資と言えます。リスク・リターンで考えると、ミクロ投資の方が、リスク・リターンともに高いと言えるでしょう。

サラリーマン投資家であれば、長期にわたり、ローリスク・ローリターンで投資していくことの方が望ましいと考える人が多いはずです。その観点からも、サラリーマン投資家であれば、マクロ投資、つまり、ETFを使った投資をすることを、私としてはお勧めします。

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