インドは投資対象としておすすめか?債権や通貨ルピーの利回りを分析

インド投資

以前、新興国のETFである、「VWO」を紹介しました。

VWOは新興国の成長の恩恵を受けるという観点で、魅力的なETFになります。

参考:新興市場ETFのVWOに投資するメリットはあるか?利回り・パフォーマンスを徹底検証

では、それぞれ個別の国を見てみると、どうなのでしょうか。国単位になると、景気がいい、悪いの他に、政治リスクも出てきます。そのため、投資するかどうかは、より注意してみるべきだと言えるでしょう。

今回は、そんな新興国の中でも、人口世界2位のである、インドについて考えてみたいと思います。

インドは投資対象として魅力的なのか、また、そもそもインド経済とはどのようなものなのか、解説したいと思います。

インドはどういう国?基礎データを紹介

まずは、インドの基本的な情報を見てみましょう。

面積:328万7,469平方キロメートル
人口:12億1,057万人
首都:ニューデリー(New Delhi)
言語:連邦公用語はヒンディー語,他に憲法で公認されている州の言語が21
宗教:ヒンドゥー教徒79.8%,イスラム教徒14.2%,キリスト教徒2.3%,シク教徒1.7%,仏教徒0.7%,ジャイナ教徒0.4%

(出所:外務省基礎データ )

ここで注目すべきは、面積および人口です。

人口は2位、面積は7位と、広大な国土と人口を持っています。人口増加率は中国より高く、いずれはインドが世界一の人口になると言われています。

基礎的な経済データは以下の通りです。

名目GDP:2兆5,974億ドル
一人当たりGDP:1,939ドル
GDP成長率:6.7%
物価上昇率:3.7%(消費者物価指数)、4.5%(卸売物価指数)
輸出額:303526百万ドル
輸入額:465580百万ドル

(出所:外務省基礎データ https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/india/data.html)

このように、高い経済成長率と、大きな名目GDPが特徴です。1人当たりGDPで見るとまだまだ140位程度と、決して高い水準ではありません。しかし、圧倒的な人口を背景に、名目GDPでは6位となっています。また、高い経済成長率を保っており、いずれ、アメリカを抜き、中国に次ぐ経済大国になると言われています。

このように、基礎データを見ると、インドは、将来有望な市場であると言えるでしょう。

インドの通貨、債券ってどうなの?

では、もう少し、インドの経済について詳しく見ていきましょう。通貨、の観点から見たいと思います。

インドの通貨は安全?

インドの通貨はルピーです

早速、ルピードルのチャートを見てみましょう。

ドルルピーチャート
(出所:Investing.com )

ドルベースで見ると、ここ5年は、若干ドル高傾向になっています。5年で約15%~20%のドル高ルピー安ですね。

インドルピーチャート

(出所:Investing.com )

円ルピーは上がったり下がったりしながらも、現在は5年前とほぼ同じ水準になっています。

ボラティリティもそこまで大きくなく、比較的安定した動きを見せているのではないでしょうか。

インドの債券の利回りは?安全性は?

次は債券について見てみましょう。まずは、債券の格付けからです。

インドの現在の債券の格付けは、ムーディーズによると、Baa2(投資適格で下から2番目)になっています。2017年にBaa3(投資適格で一番下)から引き揚げられています。

同じくBaa2にはスペインやイタリアなど、ヨーロッパの国も入っています。これはロシアやブラジル、トルコなど、他の新興国よりも安全と言える水準です。(ロシア、ブラジル、トルコは投機対象とみなされています。)

一方、利回りはどうでしょうか。見てみましょう。

インド10年債の利回り10年

(出所:Investing.com

インドの10年債の利回りは、7~8%前後になっています。

リーマンショック時には5%まで落ち込みましたが、現在は比較的安定的に推移しています。中国の債券利回りが3.5%前後、アメリカが3%前後、日本はほぼ0%であることを考えると、魅力的な水準と言えるでしょう。

インドの経済の今後の見通しは明るい?

では、これらの通貨を支える、経済の見通しはどうでしょうか。

インドの経済の見通しは、将来的にも明るい可能性が高いです。

それは、人口や面積以外にも理由があります。1つは、インドは欧米と相性がいいことです。

インドは公用語がヒンディー語ですが、イギリス領だったこともあり、英語を話せる人が多いです。

そのため、アメリカなど欧米圏と非常にビジネスの親和性が高いのです。さらに、アメリカとちょうど昼夜が逆転していることもプラスに働きます。

実際、欧米企業の中ではインドでのコールセンター業務や、アウトソーシング業務を行う企業が増えています。

もう1つは、今の政権が、経済成長を強く推し進めていることです。

2014年に、モディ首相が就任してから、MAKE IN INDIAと呼ばれる、製造業を中心とした改革が勧められています。他にも、デジタル化の強化を目指す「DIGITAL INDIA」や、外国直接投資規制の緩和など、様々な施策を行っています。

インフレ率や経済成長率など、様々な数値で見ても、モディ政権の改革は一定の成果を出していると言えるでしょう。

こういった、経済の地盤や、今の政権も、これからのインドの経済成長を後押ししています。

まとめ

インドは人口、面積ともに世界トップクラスの国です。名目GDPも6位と大国の仲間入りをしており、今後の1人当たりGDPの増加や、人口の増加を考えると、将来は中国に次ぐ経済大国になるともいわれています。

インドは、通貨も比較的安定しているうえに、国債も新興国の中では安定していると評価されています。加えて、利回りは7%を超えており、高いリターンが期待できるという側面もあります。

英語が使える国民が多いことや、今の政権が経済成長を後押ししていることなどを考えても、今後もインドのプレゼンスはどんどん上がっていくことが予想されます。投資対象としては魅力的だと言えるでしょう。

次回以降は、インドに具体的に投資する方法について解説します。

インドの株・投資信託(海外ETF)を買う方法とは?各銘柄の特徴を解説

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