ドイツ銀行は破綻の危機か?中国の影響も軽視できない【今後の株価の見通し】

ドイツ銀行株価の見通し

アメリカと中国の貿易戦争が話題になっていますが、ヨーロッパの経済も決して楽観視できるものではありません。

ECB(ヨーロッパ中央連銀)が6月に年内の量的緩和政策(国際等資産買い入れ)を停止したことで、一時はユーロ安が進んだものの、現在はまたドル高・ユーロ安の傾向にあります。

そして、ここにきてまた、欧州の大手銀行の1つである、ドイツ銀行に信用不安がささやかれています。

ドイツ銀行は、2018年6月に最安値をつけたあとは、徐々に株価を回復させていましたが、ここにきて、また、株価が低迷しています。この背景にあるものは、いったい何なのでしょうか。

また、今後の見通しはどのようなものでしょうか。解説したいと思います。

ドイツ銀行の株価は最安値を更新する勢い

では、ドイツ銀行の株価をまずは見てみましょう。直近半年のチャートは下記になります。

ドイツ銀行チャート

発端は、6月のとある報道からでした。

アメリカの連邦預金保険公社がアメリカにあるドイツ銀の子会社を「存続が脅かされるほどに財務に弱さがある銀行」のリストに加え、昨年、米連邦準備制度理事会も、同様の判断をしたという報道をきっかけに、ドイツ銀行の株価は下落したのです。

また、同時期に、格付け会社であるS&P社が、ドイツ銀行の格付けを、「BBB+」に引き下げたことが要因です。

BB+は、債務履行能力自体があるものの、経済状況によっては履行能力が低下する可能性がある、というクラスになります。

この2つのニュースが要因で、ドイツ銀行の株価は過去最安値を更新しました。

その後、株価を少し戻していたものの、次は、9月に、ドイツの連邦金融監督庁が、ドイツ銀行に対し、マネーロンダリングおよびテロ資金への対策を改善するよう指示しました。

さらに、その取り組みを監視する監督者を任命するという、過去に例を見ない措置を講じたという報道が入ったのです。ドイツ銀行は3年前にも同様の指摘を受けており、これらの対策が進んでいないということで、再度指摘が入ったとみられています。

この報道を受けて、ドイツ銀行の株価はまた下落傾向に転じ、6月以来の最安値を更新する勢いになっているのです。

ドイツ銀行の問題には中国の影響も大きい

また、ドイツ銀行が抱える問題として、中国とのパイプラインが大きいことがあります。

ドイツ銀行の大株主は、海航集団という、中国の投資会社になります。彼らは一時、ドイツ銀行の株式の10%以上である、2億株を保有していました。

しかし、この海航集団自体も、経営苦境に陥っています。債務に苦しんでいるとされており、また、中国政府の圧力もあり、資産の売却を進めているとされております。

もし、彼らが本腰を入れて、ドイツ銀行の売却をはじめれば、ドイツ銀行の株価の低下は免れません。

また、ドイツ銀行の最大顧客は、フォルクスワーゲンと自動車部品のボッシュであり、いずれも中国が最大の市場になっています。

ご存知のように、中国は、米国との貿易戦争もあり、経済的には停滞しています。そういった中国の経済停滞が、ドイツ経済、ドイツ銀行に影響を与える可能性があるのも、頭の片隅においておくとよいでしょう。

ヨーロッパ経済全体も不透明な状況が続く

ヨーロッパ経済は、ECBが量的緩和をストップさせたように、一見着実に成長しているように見えます。

しかし、そもそもヨーロッパ経済は、トータルで語れるものではありません。

個別にみると、イタリアなどのように、景気後退に苦しんでいる国もあれば、東欧諸国のように、EU圏内ではあるものの、そもそもの制度が整っていない国など、問題をかかえている国は少なくありません。

最大国であるドイツも、ドイツ銀行の問題と、移民の問題を抱えています。また、EUを離脱したイギリスの問題もあります。

いわゆる経済危機は、徐々に起こるものではなく、突然何かの問題が表面化するものです。

ヨーロッパ経済は、常にこのような火種を抱えている状態です。世界経済全体が好調なうちは問題にならないことも多いですが、いったん世界経済がリスクオフに入ると、こういった問題は表面化しやすくなることは理解しておいたほうがよいでしょう。

ドイツ銀行の今後の見通しは?

では、ドイツ銀行の今後の見通しは、どのようなものでしょうか。個人的には、一時的には下がったとしても、破綻まではいかないのではないかと感じています。

その理由として、「ドイツ銀行は、国内回帰を目指している」ということがあるからです。

海外で収益を稼いでいたドイツ銀行は、リーマンショック後、低迷をつづけていました。しかし、現在は、新しい頭取のもと、国内回帰を目指しており、海外業務を縮小しています。

ドイツ経済は底堅く推移しており、また、経済基盤も厚いため、このシフトが成功すれば、破綻まではいかないのではないでしょうか。何より、ドイツ政府が、本銀行の破綻を許さないでしょう。

ドイツ銀行の破綻はありえる?まとめ

ドイツ銀行が苦しんでいます。アメリカの子会社の信用不安と格付けが下がったことで、6月に最安値を更新した株価ですが、現在またその最安値を更新する勢いです。今回は、ドイツ連銀からの指摘が株価を押し下げた格好になっています。

ドイツ銀行は、こういった内部監査の問題に加え、大株主が中国の海航集団であり、海航集団の経営が厳しいことや、中国経済が停滞していることなども、ドイツ銀行の収益を押し下げる潜在リスクとして存在します。

また、ヨーロッパ経済が、回復基調にありながらも依然不透明なことが、ドイツ銀行の回復を阻害している側面もあるでしょう。

しかし、ドイツ銀行は、ドイツの最大手銀行です。ドイツ自体は、経済基盤は底堅く、また、ドイツ銀行になにかあった場合は、政府の介入も予想されます。

そのため、ドイツ銀行の破綻というのは、考えづらいでしょう。さらに、今現在進めている、国内回帰がうまくいけば、以前のような派手な収益はなくとも、堅実な銀行に生まれ変わる可能性もあります。

その観点でいえば、長期的には、今は株の買い時かもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です