タテルは倒産するのか?資料改ざん事件の内容と今後の影響を解説

タテル株価予想2

スルガ銀行事件で、不動産投資に関する話題がニュースによく出るようになりました。

それに追い打ちをかけるように出てきたのが、タテルによる資料改ざん事件です。

タテルの事件とは、いったいどのようなものでしょうか。

また、日本の不動産投資市況にどのような影響を与えるのでしょうか。解説していきたいと思います。

タテルはそもそもどういう事業を行っているの?

まずは、タテルという会社について、少し解説したいと思います。

タテルは、IT×不動産というスキームで成長してきた会社になります。

様々な事業を運営していますが、売り上げの大部分をタテルアパートメントという、新築アパートの分譲事業で収益を得ています。ほかにも、賃貸管理のサービスや、不動産のクラウドファンディング事業等を提供しています。

2015年には東証一部に上場しており、今、勢いのある新興不動産Tecの会社の1つといえるでしょう。

⇒タテルオフィシャルサイト

タテルが起こした資料改ざん事件の全貌とは?

では、そのタテルが、どのような事件を起こしたのでしょうか。簡単に解説していきましょう。

タテルは、タテル会員と、全国の土地をマッチングさせ、その上に、マンションを建て、販売することで収益を得ています。

しかし、マンションを購入するには、一般的には、金融機関による融資が必要です。

タテルの場合、西京銀行と提携して、顧客にアパートローンの契約を結ばせていました。

もともと、不動産市況が好調な時は、どの金融機関も、頭金が少なくても、サラリーマンという属性と、ある程度の収入があれば、金融機関もリスクをとって貸出を行っていました。

しかし、金融庁がアパートローンに警鐘を鳴らしたり、また、不動産会社各社が、顧客獲得に走った結果、今までよりも年収が低い層にもアプローチしていました。

そういった顧客は、どうしても、ローンの審査が通りづらくなります。今回は、そのような顧客に対し、融資を無理に通そうとした結果、資料の改ざんをタテル社員が行ってきた、ということが発覚したのです。

預金通帳を提出したときに、23万円を623万円として申告したりしていたことが発覚しており、現在、タテルは本件も含め、特別調査委員会を設けて調査を行っています。

タテルの株価は?今後、業績はどうなる?

タテルの株価は現在以下のように推移しています。

タテル株価予想
タテル株価Yahoofinance

事件の発覚直後に暴落して、以降は、低調なまま推移しています。暴落前からは約70%の下落となっています。

今後、タテルの事業および株価はどのように推移していくのでしょうか。結論から言うと、しばらくの間、株価は低迷すると思います。その根拠を見ていきましょう。

タテルは、不動産テックを使って、新しい事業を多角的に行っていますが、収益の大部分を占めているのは、一棟アパートの分譲です。本年度の売り上げ予算760億円のうち、実に740億円をアパート事業が占めています。

利益においても同様の傾向です。

今回、不正行為が発生したのは、この本業の部分です。

さらに、不正行為の背景に、今までローンが落ちなかった属性の層に、ローンを無理やり通そうとしたことがあります。こういった属性に関しては、今後、ローンが通りづらくなることは間違いありません。

そのため、今後、新規営業に制限がかかる可能性は大いにあるでしょう。他の事業は、成長しているとはいえ、まだまだ主力事業になるには時間がかかる事業です。

会社の状況として、アパート事業で得ていた収益を他の事業に投資し、成長の原資にしていたという背景もあります。この金のなる木のなる事業が低迷する可能性があるため、タテルとしても経営戦略の下方修正や見直しを迫られる可能性があります。こういった事情もあるため、タテルの今後の株価は、しばらくは厳しいものになるでしょう。

不動産投資市場が今後冷え込む可能性も

タテルとスルガ銀行が立て続けに不正行為を行ったことは、単に二社の業績だけでなく、不動産投資市場全体に影響を及ぼす可能性があります。

これらの背景にあるのは、サブプライムローンと少し似ている部分があります。

それは、「属性の低い顧客に、無理やりファイナンスを行う」ということです。

サブプライムローンは、リーマンショックのあと、実質的にいったんは崩壊しました。

不動産投資家へのファイナンスは、現在はそこまで影響が大きいわけではありません。なぜなら、不動産投資家すべてが、無理なファイナンスを組んでいるわけではないからです。

しかし、一部の顧客にとっては、今後、間違いなく、不動産ファイナンスは組みづらくなるでしょう。

それがきっかけで、不動産投資市場が今後冷え込む可能性も否定できません。たかが二社の事件ではなく、今後、不動産投資市場全体に影響を及ぼす可能性があることは、頭に入れておきたいですね。

まとめ

タテルは、不動産×テクノロジーを期待されている会社ですが、現状は、一棟アパートの販売が主力になります。

今回の事件は、顧客に無理やりファイナンスをつけようとした結果、資料の改ざんを社員が行った、というのが概要です。スルガ銀行とよく似たケースになります。

タテルは主力がアパートの販売である以上、今後の業績や株価は、厳しい数字になることが予想されます。それ以上に、こういった不正行為の裏側には、激しい顧客獲得と、そのために、属性の低い顧客に融資を通そうとした、という背景があります。

こういった層への融資は、今後、厳しいものになることが予想され、さらに、それをきっかけに、不動産投資市場全体に影響が及ぶ可能性もあります。そういった意味では、今回の事件が立て続けに起こったことは、不動産投資をするのであれば、今後の動向を注視すべきでしょう。

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