今年に入ってから米ドルが上昇して、かなり注目を集めていますね。昨年末には米ドル/円が100円を割れるのでは、と言われていましたが、あっという間に110円台まで上昇してきました。
そんな中、最近では個人投資家を中心に、「カナダドル」に投資している人が増えてきているのはご存知でしょうか。
今回は、そんなカナダドル投資のメリット、特徴や今後の見通しについてご紹介します。
カナダドルの特徴
カナダドルはどういった通貨なのでしょうか。ここからは、カナダドルの特徴についてご紹介します。
米ドルとの連動性が高い
カナダドルは、地理的要因からアメリカとの経済的な結びつきが強く、基本的には米ドルに似た動きをします。金融政策については、中央銀行であるカナダ銀行(BOC)が運営しており、こちらも米経済と連動性が高く、FRB(連邦準備制度理事会)にやや遅れて、追随する形を取る傾向にあります。
資源国通貨としても扱われる
また、カナダは石油や天然ガス、エネルギー、鉱物資源が豊富なので資源国通貨としても扱われるという側面もあります。原油価格が上昇する局面では上昇しやすく、逆に原油価格が下落する局面では下落しやすくなるという特徴があります。
カナダドルの取引量は、米ドルやユーロ、ポンドなどの主要通貨と比べると少ないですが、資源国通貨の中では流動性は高い方なので、安定的に取引しやすいといえます。
カナダドルのスワップ
昨年までは1.75%あったカナダの政策金利ですが、コロナ対策でアメリカにならい、利下げを行っています。21年3月時点では、0.25%まで下がっていますので、スワップポイントを狙った長期投資には、向かない通貨と言えるでしょう。
しかし、コロナ前までは順調に利上げを行っていたということもあるので、今後は利上げの可能性はあるかもしれません。
カナダドルの値動きについて
では、実際にカナダドルはどういった値動きをしているのでしょうか。ここからは、カナダドルの値動きについて見ていきます。
引用元:Trading view
こちらは、カナダドル/円の日足チャートです。ドル円同様、今年に入ってから上げ続けています。
しかし、ドル円はコロナ前の112円を回復していないのに対し、カナダドルはコロナ前の84円を上回っているのが分かります。では、米ドルとカナダドルを比べて見ていきます。
引用元:Trading view
青が米ドル/円、オレンジがカナダドル/円です。値動きの形はかなり似ていますが、上げ幅が全然違いますよね。
引用元:Trading view
次に、米ドル/カナダドルの日足チャートを見てみましょう。綺麗に右肩下がりですね。やはり、カナダドルの方が強いことが分かります。
カナダドルの今後の見通しについて
では、今後カナダドルはどうなっていくのでしょうか。このまま上げていくのか、もしくは一旦押し戻されるのでしょうか。
私は、米ドルの動向次第だとは思いますが、方向的には強気で問題ないと考えています。理由は、今年に入って米ドルがかなり強いこと、そして原油も上げ基調なことから、ドル円を買うならカナダドル円を買った方が資金効率はいいのではないかと思います。
引用元:Trading view
こちらは、原油先物の週足チャートです。4月にあった原油価格の大暴落から綺麗な上昇トレンド形成していることが分かります。
ただし、ドル円に関しては高値圏の可能性もあるので、ドル円の動きを注視しながらカナダドル円に投資するのがいいのではないかと考えています。
カナダドルに投資するには?
カナダドルに投資するには、「カナダドル建ての債券」などもありますが、シンプルにカナダドル/円を買うのがいいのではないかと考えています。
しかし、カナダドルなどのマイナー通貨では、スプレッドやスワップの差がFX業者によってかなり差があるので注意が必要です。
会社名 | スプレッド | 買スワップ |
ヒロセ通商 | 1.5~1.7pips | 2円 |
みんなのFX | 1.6pips | 3円 |
DMM FX | 1.7pips | 2円 |
このあたりがオススメです。逆に、外為オンラインなどはスプレッドが5pips、買スワップが-33円となっているので、投資する前には必ず確認することをおすすめします。
まとめ
米ドルと似た動きをする反面、資源国通貨としても扱われるカナダドル。今年に入って、米ドルが強い傾向にあり、さらに原油の価格も上昇トレンドを継続していることから、今後の上昇も見込める可能性があります。
しかし、あくまでも米ドルの動向次第でしょう。今週にはFOMCの議事録が公表されたり、バイデン政権の増税について議論が活発になってきたりと、米経済に動きが出てきそうですので、注意しながら投資するのが良いと考えています。
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