イーロン・マスク氏が、3000億ドルを超える資産を所有し、世界一の大富豪になったというニュースは記憶に新しいかと思います。
マスク氏がこれだけの資産を築くことができた要因は、彼がCEOを務めるテスラ社の大躍進にあることは間違いありません。
テスラ社の株価は直近の2年間で約25倍になっています。
しかし、なぜテスラ社の株価はそこまで高くなったのでしょうか。
今後株価がどうなっていくのか気になりますよね。
これまでテスラ株の購入を躊躇していた方も、本記事を読めばテスラ社の現状や将来性などが把握でき、効率よく投資することができるようになります。
株価の推移からテスラ株の買い方まで詳しく説明していきます。
Contents
テスラの特徴
会社概要
2010年6月に「テスラ・モーターズ」として米国ナスダック市場に上場しました。
2017年2月に「テスラ」に社名変更されています。
社名は天才発明家のニコラ・テスラに由来しています。
会社名 | Tesla Inc |
設立 | 2003年7月 |
本社住所 | 3500 Deer Creek Road Palo Alto, CA 94304 USA |
電話番号 | 650 681-5000 |
資本金 | 9000万円 |
従業員数 | 70,757人 |
発行済み株式数 | 1,004,264,852株 |
事業内容
テスラはシリコンバレーを本拠地とした電気自動車メーカーです。
エネルギー生成および貯蔵システムを設計、開発、製造、販売、リースし、製品に関連するサービスを提供しています。
2008年に「テスラ・ロードスター」を発売して以来5車種をリリースしています。
そして主に以下の点で、他社と差別化を図り、その優位性を保っています。
- 企業コンセプト
- 低コストな製造・販売工程
- テクノロジーの活用
企業コンセプト
テスラの創業時からのテーマは「テクノロジー企業の側面も持つ自動車製造企業」です。
単なる自動車製造メーカーではなく「炭化水素経済から太陽電池経済への移行を促進する」存在としての立場を確立しようとしています。
Teslaは100%電気自動車だけでなく、限りなく拡張可能な、クリーンエネルギーを発蓄電する製品をも製造する会社となり、世界の化石燃料への依存に終止符を打ち、ゼロエミッション社会への移行を加速することで、より良い未来を実現したいと考えています。
低コストな製造・販売工程
従来の自動車業界では、設計から製造、販売までの各工程を多くの企業・サプライヤーが関わる、完成品メーカーを頂点としたピラミッドを形成してきました。
この方式では多くの雇用を生み出す反面、コストダウンのための大量生産やそれに伴う余剰在庫のコントロールといった問題があります。
テスラはカメラやセンサー、半導体、バッテリー部品であるリチウム電池などは外部サプライヤーに依存しますが、ボディやモーター、そしてバッテリーなどの主要部品はテスラの工場内で製造しており、ほとんどの製造過程を自社で完結させることができています。
また、車両を販売する際も自社直営のwebサイトから予約注文をして近くの店舗で受け取るという形を取っているため、販売代理店という概念もありません。
テスラは自前完結型の製造工程と、デジタル販路を駆使したスタイルによって、圧倒的に低コストな受注生産型の自動車メーカーを貫いています。
テクノロジーの活用
先進運転支援システム、いわゆる自動運転の分野の開発でも他社を大きくリードしてきました。
テスラ車に乗っている場合、ユーザーは車を買い替えなくともソフトウェアをアップデートすることにより、機能の充実を図ることができます。
2021年7月には完全自動運転システムのベータ版がアップデートされました。
業績
2021年第3四半期(Q3 2021)決算は売上高が137億5,000万ドルで前年同期比58%増、営業利益は20億400万ドル、純利益は16億1,800万ドルとなっており前年同期比4.9倍となっています。
また、電気自動車の販売台数は前年同期比73%増、生産台数は64%増となりました。世界的な半導体不足が続いている中で、テスラは第3四半期において過去最高の納入台数を記録しています。
また、時価総額では2021年10月に1兆ドルを超え、自動車業界では世界第一位となりました。
CEO
引用元:Forbes Japan
CEOのイーロン・マスクは、SNS上の発言が何かと話題になる人物ですが、アメリカでは非常に人気がある経営者です。
いくつもの起業を経験したのちpaypalの前身となるX.comを立ち上げ、2004年に出資をする形でテスラの経営に参画しました。
民間で初めて有人宇宙飛行を成功させたスペースXの設立者でもあります。
現在も複数の企業経営に携わっており、映画「アイアンマン」主人公トニー・スタークのモデルになった人物とも言われています。
2021年には保有資産がアマゾンのジェフ・ベゾス氏を抜き世界一となりました。個人資産ではありますが、金額はトヨタの時価総額を超える規模となっています。
株価の推移とその要因
それでは、直近1年間のテスラのチャートを見てみましょう。
元々2010年の上場時初値が19ドルだったことを考えると、2020年時点ですでに株価が数十倍になっているのですが、2021年はこれまで以上に値動きが激しくなっています。
参考:SBI証券
チャートからは、2021年の1年間は概ね上昇トレンドであったこと、2021年11月に株価が急落していることがわかります。
2020年3月以降、約1カ月の間に30%を超える大幅な値下がりを3度経験していますが、今進行中の株価の下落がそれを超える水準になるのかは注目すべきポイントです。
株価上昇の要因
株価上昇の勢いは凄まじく、上場来最高値を更新し続け11月4日には1243ドルを記録しています。
ここまで株価が上がった要因としては以下のようなことが考えられます。
- 時価総額で自動車業界一位となり、テスラの将来性に対する期待が高まった
- 7-9月決算が過去最高となり、経営基盤が安定してきたという判断がされた
- 10月31日開催のCOP26をきっかけに、各国で電気自動車の普及を後押しする政策が発表されると予測し先回りして機関投資家が買いに入った
- 米国金融市場でオプション取引の取引高増加に伴い、ボラリティの高いテスラに資金が集中した
明確な材料があったというよりも、多くの要因が重なり思惑買いが進んだ結果と言えるでしょう。
株価下落の要因
CEOのイーロン・マスクが大量の株価売却を行ったことが最大の要因です。
11月6日にTwitterにて「保有株の一部を売却し、納税に充てる」ことへの是非に対するアンケートを実施し、賛成が上回ったため株の売却を開始しました。
連日の株売却を実行し、11月15日までに約630万株・約80億ドル分もの株式を売却しています。
この影響で11月8日から9日にかけては株価が16.2%下落しています。
マイケル・ルイス氏のベストセラー「世紀の空売り」(原題:ザ・ビッグ・ショート)で有名な投資家、マイケル・バーリ氏は、「イーロン・マスクはただテスラ株を売りたいだけだ」と述べているため、今後も継続的にマスク氏が株価の売却を進める可能性は否定できません。
参考:Bloomberg
株価の今後の展望
では、今後テスラ株はどうなると考えられるでしょうか。
結論、短期的に株価が下がる可能性は高いですが、長期的には継続して株価が上がっていくと考えています。
多くの専門家が指摘しているように、現在のテスラ株は経営の実態を反映した株価になっていません。
特に以下の点については不透明で、株価を大きく下げる可能性があります。
- PERが異常値で割高な株となっている
- トヨタや中国自動車メーカーなどライバル企業の参入により、電気自動車がテスラの独占的モデルではなくなっていく
- 株価が投機マネーに支えられている
- 排出枠によって売り上げを確保している
- 未完成の自動運転システムによる事故増加
- イーロン・マスクの発言や動向
しかし、現在は様々な要因により実体経済と株式市場が連動しないのが当たり前の時代になっています。
金融商品も多様化し、流れ込む資金も年々増加していくと考えた場合、「いかに期待感を持たせられるか」ということが株価を引き上げる上での重要なポイントではないでしょうか。
以下については、今後より一層期待感を高める要素となるでしょう。
- イーロン・マスクによる複数の事業展開
- 電気自動車の更なる市場規模拡大
- ESG投資の観点からB2G・B2P領域が拡大
イーロン・マスクは現在の事業を「人類を火星に移住させるための時間稼ぎ」として捉え、複数の事業を手掛けています。
かなり大きな目標ではありますが、今後さらなる事業発展のアイデアを生み出し、市場参加者の興味を引くことは間違い無いでしょう。
もちろん、10年に1度はバブルが崩壊するということは歴史が示す通りほぼ確実だと言えますが、テスラは長期的に期待感を持たせることができる企業であり、
株価は上昇し続けると考えています。
テスラ株のおすすめ購入方法
テスラ株の取引方法は、現物取引とCFD(差金決済取引)の2通りあります。
先ほど述べたように、短期的には株価が下落する可能性は高いため、現物を保有せず売りか入ることができるCFDも選択肢の1つではあります。
ただし、売買のタイミングを予測するのが難しいため、上級者以外は現物取引をするのが無難でしょう。
ドル・コスト平均法の考えをもとに、長期投資を前提にして購入するのが良いと思います。
また、テスラ株は、現在国内証券会社では楽天証券・SBI証券・DMM株・IG証券など多くの会社で取引ができます。
その中でもマネックス証券での取引がおすすめです。
以下のような点で他社と比べてもメリットがあります。
- 取引手数料が安い(約定代金の0.495%)
- NISA口座なら取引手数料は全額キャッシュバックされるため実質無料
- 買付時の為替手数料が無料
- 取引時間が長く日中も取引可能
- 米国株の他銘柄取扱数も充実している
ドル・コスト平均法の場合、コツコツと株を買っていくため都度の取引コストの安さは重要なポイントです。
まとめ
テスラ株について、株価の推移や今後の動きについて説明してきました。
イーロン・マスクの株売却は現在進行形の問題となっていますので、今が買い時としてベストとは言えません。
しかし、長期的に見れば将来性のある企業ですので、注目しておいて損はないでしょう。
米国株の場合1株から購入可能ですので、テンバガーを期待してポートフォリオの一部に加えてみてはいかがでしょうか。
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