ドイツ銀行は破綻するのか?ドイツ銀行の株価は今後はどうなる

Kzです。最近は、ETFに加え、よりよいパフォーマンスを上げるために、個別株についても投資を検討しています。

今、個人的に注目度が高いのは、「ドイツ銀行(DB)」です。

ドイツ銀行といえば、欧州経済を支えるドイツの、最大手の金融機関です。

今、そのドイツ銀行が、倒産するかも、と言われています。いったい、何がどうなって、ドイツ銀行は破綻の危機を迎えているのか、また、投資家として、どのように見るべきなのかについて、整理したいと思います。

ドイツ銀行に何が起こっているのか

ドイツ銀行は、コメルツ銀行、ドレスナー銀行と並び、ドイツ最大手の銀行です。

歴史は1870年創業と古く、また、1990年代に、商業銀行から投資銀行に軸足を移し、2000年代には大きな利益を上げていた銀行になります。そのドイツ銀行が、今、非常に苦しい事態になっています。

ドイツ銀行に何が起こっているのでしょうか。具体的には、以下のような事案が、ドイツ銀行を苦しめています。

1) 商業銀行のビジネスモデルの衰退

まず、日本の銀行同様、欧州の銀行も、ビジネスモデルの変革の時を迎えています。欧州も日本同様低金利が続いており、銀行が稼ぎづらい構造になっています。ドイツ銀行も、投資銀行に軸足を移しているとはいえ、この大きな流れには逆らえません。まず、構造的に苦しい状況であることを理解しておきましょう。

2) 度重なる不正および制裁金の発生

コンプライアンスの観点からも、ドイツ銀行を取り巻く環境は苦しいものがあります。たとえば、2013年には、LIBORを不正操作したとして約2500円の罰金を命じられていますし、その後も、アメリカでは住宅ローン担保証券を不正に販売した疑いで、1兆5000億円もの和解金を請求される、さらに、銀価格を操作していた疑いや、ロシアやイギリスでの金融犯罪防止の義務違反で、約700億円の制裁金を課されるなどしています。2018年にはドイツ当局からも操作を受けています。制裁金そのものも痛手な上に、これまでの収益が不正の上に成り立っている可能性もあるということから、金融機関としての信用も問われているのです。

3) 欧州全体の景況悪化・債務危機

最後に、欧州全体の景気悪化も、ドイツ銀行の足かせになっています。銀行株は、景気循環銘柄であり、ドイツ銀行は、欧州経済の影響を色濃く受けます。

そして、現在、欧州経済は、決していいものではありません。直近1年間のユーロ-製造業指数は以下の通りです。製造業指数は、50を割っていれば景気悪化傾向にあると言われています。

下落傾向な上、予想値を下回っていることが、ヨーロッパの景気の悪さを表しているのです。

(出所:Yahoo! Finance )

また、例えば、ドイツ銀行は、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を大量に売っている銀行として知られています。

CDSは景気がいい時は大きな収入源ですが、景気が悪化すると途端に金融機関の首を絞めます。

例えば、ギリシャ国債のCDSの場合、ギリシャ国債がデフォルトしたらドイツ銀行は買い手に多額のお金を支払う必要があるのです。こういった商品を持っていることは、大きなリスクになります。

このように、ドイツ銀行は様々な点で逆風を受けており、今、厳しい状況にあると言えるでしょう。

ドイツ銀行株は買える?買えない?

では、ドイツ銀行株は今、「売り」なのでしょうか。それとも、「買い」なのでしょうか。

今、ドイツ銀行の株は7.5ドル前後で推移しています。これはピークの時の1/20の水準です。

(出所:Yahoo! Finance )

「売り」のシナリオの場合、ドイツ銀行の業績がさらに悪化することになります。

もしかしたら、ドイツ銀行は破綻するかもしれません。

先日、同じくドイツ大手銀行であるコメルツ銀行との合併の話もありましたが、こちらは破断に終わったようです。

これにより、ドイツ銀行破綻の可能性が高まったとも言われています。

しかし、ドイツ銀行の破綻となると、話は別です。ドイツ銀行の負債は、260兆円とも言われています。

これは、リーマンブラザーズの約4倍の数字です。ドイツ銀行が破綻すれば、間違いなく、第二のリーマンショックが起こると言われています。

もちろんそれをドイツ政府やヨーロッパ連銀が許すとは思えません。国有化などの支援策を打ち出す可能性が高く、したがって、株価は下値も限定的でしょう。もしかしたら、「今は底」なのかもしれません。

一方、「買い」も危険です。買いの材料としては、1)合併もしくは国有化 2)欧州の景気改善 のいずれかでしょう。

しかし、現実的に、2)はしばらく見込める状況ではなく、1)については、タイミングが読めない状況です。そして、2)を期待するのであれば、ユーロを今のうちに買い進める、など、他でも稼ぐ手段はあります。

今さら、焼石に手を突っ込むようなことは、長期投資の観点からは避けるべきでしょう。

ドイツ銀行は先行き不透明。株には手を出さない方がいい?

ドイツ銀行は、歴史ある大銀行ながら、不正や構造不況など、様々なリスクをかかえており、破綻寸前とも言われています。現在、株価はピーク時の1/20に低迷しており、今後の先行きも不透明だと言えるでしょう。

こういった株は、えてして、投機的な動きをしやすいものです。もし、ギャンブルをするのであれば、売りも買いでも、一時的に儲かるかもしれません。

しかし、長期投資の観点からは、今、この銘柄に手を出すのは、悪い選択肢であると言えるのではないでしょうか。

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