引用元:AFP BB News
仮想通貨が軒並み大暴落していますね。特にビットコインは最大65000ドル(約700万円)まで上昇しましたが、5月19日には一時、30000ドル(320万円)を付ける50%を超える大暴落となり、現在は33000ドル(約350万円)付近で推移しています。
その原因を作ったとも言われているのが皆さんご存知、米テスラ社のCEOであるイーロン・マスク氏です。
そこで、今回は暴落のきっかけとなった発言などをまとめてご紹介し、今後の見通しなどを書いていきたいと思います。
Contents
イーロン・マスク氏の仮想通貨発言まとめ
では、まずはマスク氏の仮想通貨に関しての発言を見ていきましょう。
Twitterのプロフィール変更でビットコイン15%上昇
引用元:NEXT MONEY
まずは暴落前から見ていきましょう。『発言』ではないのですが、21年1月29日にマスク氏のTwitterプロフィールに「#bitcoin」の文字が追加されたことを受け、ビットコインの価格は3万3000ドルから3万8000ドルまで約15%の急騰となりました。一時期のトランプ元大統領もSNSの発言で世界経済に大きな影響を与えていましたが、仮想通貨市場においてはマスク氏の発言や言動が大きな影響を与えていることが分かります。
ただ、この時点で通貨としてはどうなのか?と疑問を抱いてしまいますよね。
バラエティ番組でドージコインを『詐欺』と発言→2兆円強が吹き飛ぶ
5月8日、マスク氏はアメリカの人気バラエティ番組「サタデーナイトライブ」に出演しました。そこで、自身のお気に入りコインでもある「ドージコイン」について、以下のようなやり取りがありました。
共演者:ドージコインって何なんですかね?
マスク氏:まぁ、通貨の未来ですね。勢いを止められない金融手段であり、世界を席巻することになるでしょう。
司会者:はいはいはいはい。だからさ、何なんだって聞いてんの。
マスク氏:これだけは言えます。既存の通貨に交換できるクリプト通貨です。
司会者:あ、わかった、つまりはハスル(金融詐欺)ね
マスク氏:そうそう、ハスル。To the MOON(月までいくぜ)!
この発言の直後、ドージコインは30%の暴落となり、番組開始前には900億ドル(約9.8兆円)まで急騰していた時価総額が、700億ドル(約7.6兆円)まで下落し、約2兆円が吹き飛びました。
テスラがビットコインでの自動車購入の停止を発表
テスラ社は21年3月24日に、ビットコインでの決済に対応することを発表しました。
引用元:Tradingview
その時のチャートです。発表した次の日から上昇し始め、その後65000ドル(約700万円)付近まで上昇し、史上最高値を付けました。
しかし、同社はそれからわずか49日後にビットコインでの購入の停止を発表しました。
理由としては、ビットコインを生み出すマイニング(採掘)作業で、化石燃料の消費が急激に増えることを懸念したと述べています。
引用元:TESLA
同社はクリーンエネルギーにも力を入れており、同社HPにも化石燃料への依存について言及している程です。この発表を受けて翌日には30000ドル(320万円)を割り込む大暴落となりました。
火に油を注いだ出来事
さらにテスラ社のサポート終了の発表後、火に油を注ぐ出来事ありました。これらが仮想通貨売りに拍車をかける形となりました。
①ビットコイン売却をほのめかすツイートに「確かに」と返信
引用元:Twitter
マスク氏は、テスラ社がビットコインを売却することをほのめかすツイートに対して「Indeed(確かに)」と肯定するような文言を返信しました。
引用元:Twitter
しかしその後、マスク氏が「テスラはビットコインを売っていません」とツイートしたことで、ビットコイン相場は下げ止まる形となりました。
②米で多発する仮想通貨関連の詐欺
さらに、アメリカの連邦取引委員会(FTC)は5月17日、「2020年10月以降、仮想通貨に関する詐欺が7000件以上報告されており、合計で8000万ドル(約87億3200万円)の被害が発生している」とのレポートを発表しました。
また、こうした被害の中にはマスク氏になりすましたSNS投稿などにより、合計200万ドル(約2億1800万円)が詐取された事件も含まれているそうです。
③コインベースの上場ゴール
以前の記事でも触れましたが、米コインベースの上場も仮想通貨市場における大きな出来事と言えるでしょう。
引用元:Tradingview
こちらは、ビットコインの日足チャートですが、最高値を付けたのが4月14日です。
引用元:Tradingview
コインベースの日足チャートです。まさに上場ゴールとなりそうな形ですね。後から振り返って、4月14日が大きなポイントとなる可能性もあると考えています。
④中国の規制強化
さらに追い打ちをかけたのが、中国政府が21日に発表した仮想通貨に対する規制強化でしょう。元々規制が強かった中国ですが、今回の規制強化は規制するサービスの対象をさらに拡大するもので、
・金融機関が暗号資産を受け入れたり、支払いや決済の手段に利用すること
・暗号資産関連の金融商品を組成すること
・信託やファンド商品が暗号資産を投資対象として利用する
・マイニング(採掘)
などが新たに規制対象になりました。
まとめ(今後の見通し)
今回の暴落をイーロン・マスク氏の言動を中心に振り返ってみました。
きっかけは間違いなく、マスク氏の言動だということが言えるでしょうが、その後仮想通貨に関する懸念(コインベース、詐欺、中国の規制など)が表面化する形となりました。今後、さらにネガティブニュースが出てくると、売り圧力がより一層強まるという可能性も考えられます。
しかし、逆にここまで価格を上げることができたのは、少なからずマスク氏の貢献度もあるでしょう。今後も、同氏の一挙手一投足に注目が集まることが予想されます。
これらのことから、現状仮想通貨に関しては『投資』ではなく『投機』になってしまう可能性が高いと考えています。また、こういった局面ではボラティリティが大きくなりがちですので、細心の注意が必要です。
しっかりとリスクを限定しながら、しばらくは値幅を取っていくという考え方がいいのではないかと考えています。
コメントを残す