株価が下落トレンドの時にサラリーマン投資家がとるべき行動とは?【2018年10月相場分析】

日経平均チャート2018年10月

2018年10月末、先週から、不安定な相場が続いています。

せっかく投資を始めたのに、損をしてしまった、という方も多いのではないでしょうか。

ここしばらくの間、株価が右肩あがりで来ていた分、はじめて下落を経験する方も多いのではないでしょうか。

今回、投資初心者、サラリーマン投資家が、こういった下落相場のときに、どういった行動をとるべきかについて、解説していきたいと思います。

何もかも下げた2018年10月の相場

10月は、どの市場も大きく下げた1か月でした。

S&P500と、日経平均のチャートをそれぞれ見てみましょう。

S&P500のチャート(SPY)

S&P500チャート2018年10月
(出所:Bloomberg

日経平均のチャート

日経平均チャート2018年10月
(出所:Bloomberg

ごらんの通り、日経平均、S&P500ともに、10%程度下落しています。

日経平均で言うと、2016年6月に-9.6%下げて以来の大きな下落になります。ここ1~2年で投資を始めた方にとっては、初めての経験する暴落なのではないでしょうか。

なぜ、下落相場が起こった?

まず、なぜこの下落相場が起こったのか、簡単に解説していきましょう。

最も大きな要因としては、FRBの利上げです。通常、債券と株は相関関係にあります。

債券は株に比べて安全な資産であり、株はリスク資産、債券は無リスク資産になります。

債券の利回りは、中央銀行の金利と近い動きを見せます。金利が上がれば、債券の利回りは上がります。

債券の利回りが上がると、多くの投資家はリスク資産から無リスク資産に資金を移動します。そのため、株価は下がるのです。

現在、米国長期債は金利3%を超えており、ここ数年では高い水準となっています。そのため、資金が株から債券に流れているのです。

このファンダメンタルに加えて、現在、米国株を悩ませているのが、トランプ政権を発端とする米中問題、貿易問題です。

アメリカと各国との貿易戦争は、世界経済にマイナスの影響を与えています。米中問題は、現在、妥協点を見出すことができず、長期化の様相を表しています。この問題も、新興国のみならず、アメリカ経済にも心理的にマイナスの影響を与えているのです。

アメリカ経済がくしゃみをすれば、日本経済が風邪をひくと言われているように、日本株も低調に推移しています。

特に、小型株は、信用取引も多く、売りがさらなる売りを呼んでいる状況です。今までも、少し下げることはありましたが、今回は景気後退の声もささやかれているほど、下げ幅が大きいのです。

下落相場の時にサラリーマン投資家がとるべき行動とは?

では、こうした下落相場の時、サラリーマン投資家は、どのような行動をとればよいのでしょうか。

株の基本は、「安いときに買って、高いときに売る」ということです。

しかし、一番の問題は、いつ安くて、いつ高いか、誰にも正しい予想はできない、ということです。

予想できないときに、とるべき方法は、2つあると思います。

1つ目は、「値段が上がろうが下がろうが、買い増しを続ける」ということです。これは、ドルコスト平均法を活用した投資になります。

株価が下がれば、多く株を買うチャンスですし、値段が上がれば、下がったときに買った株があるため、長期的にはいずれプラスになります。

この方法は、毎月本業での収入があり、入金ができるサラリーマンならではの手法になります。専業投資家は、こういった毎月の収入がないため、売りの時もプラスになる手法を考えなければならないのですが、サラリーマン投資家は、下落時も入金をすることで、長期にわたって資産形成ができるのです。

しかし、この方法には、1点、注意点があります。

それは、「いつまで下がる状態かわからない」相場の中で、機械的に投資を続けなければ行けないということです。これは、頭ではわかっていても、なかなかタフな心理が求められます。実際、下がっていく相場では入金に躊躇することもあるでしょう。

実際、リーマンショックの時は、約2年間下落相場が続きました。

もう1つの方法は、「何もせずに、回復を待つ」という方法です。この場合、資金は現金で貯めていく形になります。

株式相場には、「頭としっぽはくれてやれ」という格言があります。また上昇相場になったら、その時に資本を投下すればよいのです。

もしかすると、絶好の買い時を逃したのかもしれません。しかし、精神的には、1の方法より、ずいぶん楽になります。実際、私は、今は、入金ペースを落として、現金の割合を増やしています。

逆に、投げ売りするのは、おすすめできません。なぜなら、「今が底」ということも、十分にあり得るからです。その場合、上がってから買い戻す形になり、損失のみが拡大する形になります。

不安に思う方も多いでしょうが、長期的には株式のリターンはプラスになる、ということを信じて、ぐっと保有することをお勧めします。

株安の時にサラリーマン投資家がとるべき行動とは?まとめ

株安というのは、不安な気持ちになるものです。特に、ここ数年、大きな下落がなかったので、この10月のような下落相場は初めて経験する方も多いのではないでしょうか。

下落したときに、サラリーマン投資家がとるべき行動としては、1つは、定期的に入金を続けること、もう1つは、しばらく様子を見ることだと思います。

定期的な入金は、将来大きな実を結ぶ可能性もありますが、下落相場の中で入金を続ける心理的タフさが求められます。様子見の場合、将来のリターンは入金を続けるより小さくなるかもしれませんが、心理的には楽になるでしょう。

ただし、どこが底か予想できない以上、今株を売るのは、決して得策とは言えません。こういうときに、しっかりと株をホールドできるかどうかが、長期的な資産形成ができるかどうかに関わってくると言えるでしょう。

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