どうなるイギリス?ブレグジット(EU離脱)の今後と投資に与える影響について

今、国際情勢で脚光を浴びているのが、イギリスのEU離脱問題(ブレグジット)です。

当初、2019年3月29日にイギリスはEUを離脱する予定でしたが、こちらについては、イギリス内のゴタゴタもあり、5月以降に延長されることになりそうです。ブレグジットを巡る今後の動向と、我々の生活、投資にどういった影響を与えるかについて、少し考えてみたいと思います。

これまでのブレグジットの経緯は?

まず、そもそも、なぜブレグジットが起きたのか、そして、これまでどういう経緯でブレグジットが進んできたのかについて、確認していきましょう。

もともとイギリスは、EUの中でも、少し別枠の扱いでした。もちろんEU内の法律には従うのですが、通貨はユーロを採用せず、ポンドを使用していたりなど、特殊な部分があったのです。イギリスが島国であるというのも、そういった事情を後押ししていました。

背景には、EUが拡大するにつれ、様々な問題が起きつつあったことも触れておくべきでしょう。

たとえば、一つにEU間の経済格差があります。ドイツやイギリスといった、比較的豊かな国と、東ヨーロッパの貧しい国が同じ組織にいることや、また、移民の問題など、EU自体も様々な問題を抱えていました。

そういった中で、2016年に、イギリスは、EUを脱退すべきかどうか、という国民投票を行ったのです。拮抗していたものの、結果は、「EUを脱退すべき」という結論になりました。イギリスのEU脱退のシナリオは、ここから始まった形になります。

ここから、イギリスとEUの間で、離脱協定と呼ばれる、様々な約束が決められていきました。たとえば、イギリスがEUを離脱するにあたり、約390億ポンド(約5兆7000億円)の清算金を支払う、イギリスに住んでいるEU市民と、EUに住んでいるイギリス市民をどうするか、また、イギリスとアイルランドの国境の取り決めについて、また、EUの企業に与える影響を少なくするための方法についてなど、様々なことが取り交わされたのです。

そして、2019年3月29日~2020年12月31日は移行期間とされ、この間は特に大きな変化はなく、スムーズに移行がされることを期待していました。

しかし、ここにきて、イギリス国内が揺れています。

1月の議会で、イギリス政府とEUの間で合意された離脱協定案が議会で否決されたからです。タイムリミットの3月29日まで、間もない中での否決は、EUに混乱をもたらす可能性がありました。現在は、離脱期間を3月29日移行に延期することが、EUの中でも承認されており、離脱協定の修正を行っている最中になります。

離脱協定の承認が行われれば、最短で5月22日にEU離脱が行われることになりますが、承認されない場合は、新しい選択肢を提示する必要があります。現在、まさに、離脱に向けて最終調整の最中だと言えるでしょう。

イギリスの離脱パターンと、その際に起きうる影響は?

イギリスの離脱には、「合意して離脱」という方法と、「合意なき離脱」という2つの選択肢があります。

それぞれの場合、どういう影響が起こるか考えてみましょう。

このまま修正案が可決され、「合意して離脱」がなされるというシナリオは、ある程度マーケットは織り込み済みです。つまり、そこまで深刻な問題になる可能性は少ないでしょう。

ただし、欧州に拠点を持つ、グローバルな金融機関は、イギリスが離脱することで、フランクフルトやアムステルダムにその拠点を移す必要があります。そうなると、イギリスの金融機関のプレゼンスは低下する可能性があります。金融株は、少し注目をしたほうがよいかもしれません。

また、「合意なき離脱」になった場合は、さらに大きな影響があるでしょう。

たとえば、物流や貿易面の合意がないまま進むとするならば、イギリスのみならず、ヨーロッパを中心に、世界各国に影響を与える可能性もあります。現在、ヨーロッパの経済は停滞しており、先日もドイツ銀行とコメルツ銀行が合併を発表したばかりです。

こういった、ヨーロッパ全体の経済不安が加速する恐れがあり、ヨーロッパ発の景気後退が世界中に広がっていくケースも想像しなければなりません。

ポンドですが、すでに離脱を決定したときに、ポンド安に動いていることもあり、今回の離脱ではそこまで大きな影響はないかもしれません。しかし、上記のように、ヨーロッパ経済が混乱すれば、影響を受けるのはポンド、ユーロです。こういった別の観点からもヨーロッパの通貨はリスク含みだと考えた方がよいでしょう。

どうなるイギリス?ブレグジットの今後と投資に与える影響について まとめ

イギリスは、2016年の国民投票で決定された、EU離脱の期限を前に、大きく揺れています。ひとまず、3月29日の合意なき離脱は避けられたものの、余談を許さない状況になっています。

ただでさえ、ヨーロッパの経済が不安な先行きを見ている中、合意なき離脱は、一時的にヨーロッパの経済を混乱に陥れ、それがきっかけで、ヨーロッパ発の世界的不況が起こるかもしれません。

今、我々は、ヨーロッパの景気にはリスクが大きいことを理解し、投資を進めた方がよいかもしれませんね。

参考記事:ブレグジット(英国EU離脱)の今後の見通しと株価・為替への影響(3月29日に離脱延期を表明か)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です