10月31日に行われた衆議院議員総選挙は、自民党が単独で絶対安定多数を獲得するという結果に終わりましたが、その結果を受けて日経平均株価が大幅に上昇しています。3万円台が視野に入ってくる中で、個別銘柄を保有されている方にとっては現在の好地合いが続いていくのかどうかが、気になるポイントではないでしょうか。
そのような状況で、注目を集めている銘柄があります。
「株式会社グローバルウェイ」 です。
この1ヶ月余りの間に株価が上場以来の最高値を更新し、数十倍以上になっているという圧倒的な急騰劇を見せています。
しかし、なぜこのような現象が起きているのでしょうか。その原因がわからず投資に二の足を踏んでいる方もいるかと思います。
今回はグローバルウェイの株価急騰の要因と今後考えられる展開について解説していきます。
株式会社グローバルウェイとは
会社概要
株式会社グローバルウェイは2016年4月に東証マザーズに上場しています。
会社名 | 株式会社グローバルウェイ |
設立 | 2004年10月 |
本社住所 | 東京都港区浜松町1-7-3 第一ビル |
電話番号 | 03-5441-7193 |
資本金 | 9000万円 |
従業員数 | 73人 |
発行済み株式数 | 17,541,915(株) |
事業内容
以下のような事業を行っており、多角的に展開をしています。
- メディア事業
- シェアリングビジネス事業
- プラットフォーム事業
- セールスフォース事業
- リクルーティング事業
メディア事業では、企業の口コミ情報サイト「キャリコネ」が有名です。
また、シェアリングビジネス事業についてはグループ会社である株式会社タイムチケット、 TimeTicket GmbHにて行っています。
創業者
創業者は各務 正人(かかむ まさと)です。現在は取締役会長であり、子会社の株式会社タイムチケットの代表取締役社長となっています。
株式会社グローバルウェイの筆頭株主であり、全株式の55.5%を保有しています。
またtwitterの更新頻度が高く(@kakamucho)、株価についての発信を頻繁に行っています。時には株高を煽るような発言もあり、いろんな意味で注目されている経営者と言えるでしょう。
株価急騰の推移と要因
株価の推移
まずは2021年8月以降のグローバルウェイのチャートを見てましょう。
8月中旬〜現在にかけて、株価が上昇と下落を繰り返しながら、10月後半には急騰しているのがわかるかと思います。
元々グローバルウェイは出来高・時価総額、共にかなり低くあまり買われていない銘柄という印象でした。
しかし、2021年7月21日に22年3月期の連結経常損益を従来予想の500万円の黒字から1億3500万円の黒字(前期は3億3900万円の赤字)に27倍上方修正するという発表があり、それ以降出来高がかなり増えています。
次に、直近10日間の値動きについて見てみましょう。
25日・26日はストップ安、22日・27日・28日・11月1日はストップ高と、かなり不安定な動きを見せつつも買い需要が勝り株価を引き上げています。
急騰の要因
では、なぜこのような株価急騰が起こっているのでしょうか。今回、いくつかの事象が重なり注目度が上がってきていることが要因だと考えられます。
業績修正
7月21日に22年3月期の連結業績予想を、当期純利益を3000万円から9500万円(前期1億8700万円の赤字)へ上方修正しています。これは2020年11月にBit Forexに上場した、暗号資産「タイムコイン」の売却を順次行い営業外収益が大幅に増収する見込みとなったためです。
また、8月27日には株式会社Emotion Tech(エモーションテック)との資本・業務提携の解消に伴い、特別利益を計上するため22年3月期で1億2300万の黒字を見込むという、29.5%の上方修正発表がありました。
それぞれ業績発表後にはストップ高となっており、投資家からは期待値を上回る好材料として判断されたようです。
株式分割
8月26日に、9月16日を基準日として1株を5株に分割すると発表がされました。また、10月12日には11月3日を基準日としてさらに1株を3株に分割するとの発表がされています。
一般的に株式分割は投資単位あたりの株価を引き下げることで、株式の流動性を高める・投資家層の幅を広げるのが狙いとして行われます。
創業者の各務氏もTwitte上で、
“私が上場後の株式分割を想定していたのはグローバルウェイを設立した2004年です。東証マザーズでは機関投資家よりも個人投資家を意識した対策が求められます。最低投資額が現物で10万円ぐらい、信用取引で20万円ぐらいで投資できることを意識した分割です。個人投資家の株主とファンを増やしたいです。”
と発言しており、以前から意図していたようです。
株式分割をすると、売り需要も増すため、株価を引き下げる可能性もありますが、発表後その都度株価は上がっているため買い需要が勝っているようです。
GameTomodachiのローンチ
10月20日に、ゲームプレイヤーマッチングサイト「GameTomodachi」が26日にリリースされることが発表されました。
オンラインゲームプレイヤーが一緒に遊ぶ友達を見つけることができるサービスで、将来的にはゲーム内でタイムコインによる決済や、DeFiやGameFiの仕組みが実装予定となっています。3カ国語に対応しており、今後全世界対応を目指す予定のようです。
発表後の株価は高値をつけています。現在仮想通貨市場が過去最大の盛り上がりを見せていることや、メタバース(仮想現実)への関心の高まりなどもあり、思惑買いが広がっていると考えられます。
今後の展望
グローバルウェイ株についての今後についてですが、おそらくまだ株価は上がっていくと考えます。
大きな要因は、「メタバース」と「株式分割」です。
メタバースについては今後しばらくは”ブーム”がやってくると考えられます。
Facebookが社名を「Meta」に変更したというニュースは耳に新しいでしょう。
特に中国では「メタバース元年」になるとの思惑から、参入企業が増えておりFacebookの社名変更発表後、メタバース銘柄の株価がこぞって10%近く上昇しました。
日本でもシリコンスタジオなどが株価をあげていますが、本格的な動きが見られるのはこれからでしょう。
ただし、2012〜2013年ごろにmixiやガンホーといったいわゆる「ゲーム株」が急騰した時の動きにも似ていますので、ブームがいつまで続くのかという点には注意が必要です。
また、株式分割についてはかなり早いペースで行われています。
ただし、Zホールディングスやライブドアなど、株式分割をかなりの回数重ねている企業はこれまでに何社もありましたので、創業者の発言などから考察すると、今後株価が上昇した場合にはさらなる株式分割を実施する可能性もありそうです。
ちなみに、11月1日現在では信用取引規制がかかっていますので、解除されれば買い需要が増え、さらなる株価の上昇が期待できるでしょう。
まとめ
グローバルウェイ株については、様々な要素が重なることで株価が上がり、注目が集まったことでさらなる資金を呼び込んでいる状況と言えそうです。
ただし、仕手筋などが最大要因ではなく、ある程度の実態を伴っているためしばらく株価の上昇も期待できるのではないかと思います。
では、この銘柄に今投資するのがベストか?と言えば、全面的にお勧めすることはできないでしょう。
企業業績という観点で見ると現在の株価については特別割安というわけではないですし、ここ数日でストップ高・ストップ安を繰り返している点も考慮すると明日以降株価が続落する可能性というのは否定できません。
ですが、損切りラインをしっかり設定した上で、ある意味”割りの良いギャンブル”という感覚で投資に参加する分には悪くないのではないでしょうか。
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