逆オイルショックでの投資スタイル【原油先物を空売りする方法は?】

逆オイルショックのタイミングで、石油への投資はどのように行うべきか?

前回は、原油先物価格がマイナスになった理由について解説しました。

短期的には5月限の原油先物の売り先がなく、投資家が投げ売りでもいいから損失を回避しようとしたことによるものですが、もう少し深堀すると、ロシア、中東、北米を巡る供給の問題や、コロナによる需要の減少が背景にあります。

しばらくはこういった原油価格の混乱は続くことが予想されます。

前回の記事⇒WTI原油先物価格がマイナスになった理由を徹底解説

さて、混乱は、投資家にとっては利益を得ることができるチャンスと言えます。

こういった中で、原油に対して、どのような投資がいいのか、考えてみましょう。

原油を活用した取引にはどのようなものがあるか

まずは、原油を活用した取引には、どのようなものがあるか整理しましょう。

個人でできるのは、主に以下の3つになります。

  • 原油のCFD(差金決済取引)
  • 原油ETF(USOなど)
    ・エネルギー関連企業(エクソンモービル等)

それぞれのメリット、デメリットを整理していきましょう。

原油のCFDが最もおすすめ!その理由は?空売りも可能

最後に、原油のCFD取引についてです。現時点では、これが最もおすすめだと思われます。

原油のCFDの原理は、先物商品をそのまま金融商品として売買できるというものです。

そして、売りからも買いからも入れて、レバレッジを効かせることもできます。簡単に言うと、FXの原油版だと考えて間違いないでしょう。

そのCFDですが、短期的にはおすすめです。

それも、買いではなくて、ショート(売り)から入るのが、今のタイミングではいいと言えるでしょう。

前回も説明しましたが、原油先物は基本的に毎月期限が来る商品となっています。

次は5月の20日ごろに6月限の先物の期限が来て、次は7月限、8月限…と続いていく形になります。

WTI原油先物価格が、4月21日に大きなマイナスとなり、22日に価格が戻っているのは、先物が5月から6月に切り替わったからです。

では、6月物の期限が迫ってくると、どのようなことが起こるでしょうか。

基本的には、現在の状況が続くと仮定すると、同様に、マイナス取引もあり得るでしょう。

原油の先物は売り手、買い手ともに義務を負っているため、先物で購入した場合は、6月末で絶対に受取をしなくてはならないからです。

それを嫌った投げ売りというのは出てくるのではないでしょうか。それを狙って、ショートを仕掛けるのは、戦略としてはありだと思います。

一方、注意点があります。それは、期限の日をまたがない、ということです。

期限をまたぐと、翌月の商品に切り替わります。その時は間違いなく一度値を戻すので、損失を受ける可能性があります。

例えば5月限月はマイナスだったのに対して6月限月は20ドル前後で安定していました。この点からも機会損失が発生する可能性もあります。

あくまで1か月の期限内で行うトレードであることに留意ください。

原油ETFがおすすめできない理由とは?USO

他には商品として、原油ETFがあります。

代表的なところだと、USOという、WTI原油先物価格に連動するETFがあります。

こちらのショートでもよいのではないか、というかもしれません。しかし、原油ETFはお勧めできません。

1つの理由としては、USO自体が、ETFとしての機能を果たし続けることができるかどうかが不明、ということです。USOは、これまでは原油先物価格に連動してきました。

しかし、原油先物価格がマイナスになったことを受け、少しロジックを変えてきました。

これまでは、5月限のものに連動していたものを、6月限、7月限、それ以降の期限のものにも連動するようにしたのです。さらに、新規のETFのクリエイションをSTOPさせました。

これにより、ベンチマークである先物価格との乖離が起こっています。そのため、ETFの信頼性が失われつつあるのです。

さらに、原油先物価格がマイナスになることは今後あり得ますが、ETFは商品設計上マイナスにはなりえません。そういったこともあり、今後、乖離が大きくなる原油ETFへの投資は避けた方がよいでしょう。

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エネルギー企業もあまりお勧めはできない

エクソンモービルやシェブロンなどに投資する、売りで入ることも、手段としてはあります。

しかし、企業に投資するとなると、エネルギー価格以外の要因がどうしても入ってきます。(企業はもちろん利益を出そうとしますので。)なので、売りはリスクがありますし、買いもこの情勢ではやりづらいでしょう。というわけで今はあまりお勧めできません。

いずれにせよハイレバレッジでやるべきではない

再度お伝えしたいのは、原油取引はハイレバレッジでやるべきではない、ということです。

現在需給両面で原油価格が安くなる方向に進んでいますが、供給面は減産合意したら一気に状況が変わる可能性もあります。

レバレッジを小さくする、余裕を持ったポジションをとる、必ず逆指値を入れるなど、ヘッジをしておくことが望ましいでしょう。

まとめ

逆オイルショックのような混乱の時期は、投資家にとってはチャンスと言える部分もあるでしょう。原油への投資は、CFD、ETF、エネルギー企業とありますが、基本的にはCFDのショートがこの局面では一番合理的だと思われます。

しかし、原油は、政治などで価格がごろっと変わったりするので、そのあたりのリスクはきちんとヘッジしつつ取り組みをすることをお勧めします。

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