格付け会社「SPGI」への投資を徹底解説!リターンと将来性は?

SPGI IRより

S&P500の元となる、S&Pの生みの親!格付け会社SPGIの実態とは?

前回は、MSCIについて、その魅力を解説しました。

ゴールドラッシュの時に、確実に儲かったのは、金を掘った人ではなく、金を掘るためのツルハシを売った人だった、

という逸話に代表されるように、いつも胴元、根っこの部分を抑えているビジネスというのは強いものです。

MSCIは、MSCIコクサイに代表されるインデックス指標を作っている会社であり、今後、インデックス投資が増えていけば、必然的に成長していく会社、まさに胴元のような会社になります。

今回は、MSCIとよく似たビジネスを展開する、SPGIについて、特徴を解説していきたいと思います。

SPGIという会社はどんな会社?

SPGIは、正式な会社名を、S&P Globalと言い、世界中で総合金融サービスを提供する会社です。MSCIに比べると知名度は低いかもしれません。しかし、S&P500といえば、海外に投資をしている人で知らない人はいないでしょう。

S&P500は、その名の通り、S&P社が出している、米国上場企業大型株500社の指数であり、おそらく世界で一番有名な金融指数になります。この指数を作っているのが、SPGI傘下の、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスになります。

SPGIの事業内容は多岐に渡ります。代表的なのが、上記のS&P500に該当するような指数作成事業になります。しかし、それ以外にも、S&P グローバル・レーティングという、格付けを行うビジネスが有名です。

企業や銀行等の信用力を調査し、格付けを行っています。この格付けビジネスも、基本的には社債や国債が増えれば増えるほど需要度が増すものになりますので、ある意味胴元のようなビジネスモデルであると言えるでしょう。

加えて、財務データの提供やビジネスの分析ツールの提供などを行うS&P グローバル・マーケット・インテリジェス社と、ロンドンに拠点がある、コモディティ市況の提供サービスを行うS&P グローバル・プラッツという、4つの事業が柱になっている企業です。MSCIに比べると、より多角的になっています。

SPGIのパフォーマンスは?リターンは?

では、気になるSPGIのパフォーマンスについて見てみましょう。まずはここ5年の業績を見てみましょう。

SPGI

(出所:SPGI IR )

売上を意味するReported Revenueは2015年から右肩上がりになっています。2019年は2015年の30%増になっています。同時に、利益率も改善をしており、2015年には40%に満たなかった(それでも十分高いですが)利益率が、2019年には50%を超えているのです。利益、売上ともに右肩上がりで成長している、非常に優良企業と言えるでしょう。

SPGI IRより

(出所:SPGI IR )

EPSはここ5年で倍以上になっていますMSCIほど急激に伸びているわけではありませんが、その伸び率にはやはり目を見張るものがあります。

続いてチャートを見てみましょう。わかりやすいように、S&P500と比較しておきます。

濃い青がSPGI、薄い青がS&P500です。2007年からののチャートになっています。

SPGIチャート

(出所:Yahoo Finance )

S&P500が約2.2倍になっているのに対し、SPGIの株価は5.6倍となっています。MSCIほどではありませんが、非常に高い伸び率であることが理解できるでしょう。

金融系サービスのため、2008年~2012年ごろは厳しい状況でしたし、コロナショックの時も大きく落としています。

しかしながら、現状、株価は回復し、年初来高値を更新していることを考えると、やはり多くの投資家が同社を魅力と感じていることがわかるかと思います。

ここからSPGIに投資するのはあり?なし?

では、ここからSPGIに投資するのはありでしょうか?

現状、SPGIのPERは32倍と、やはり決して割安ではありません。しかし、注目すべきは、SPGIの高い将来性です。

SPGIの主力事業は、格付けとインデックスです。格付けは社債市場や国債市場で力を持ち、一方でインデックスは株式市場で、いわば胴元のような存在になりえるのです。

格付け会社があることで適切なレーティングができますし、インデックスがあることでETFが組成されます。金融市場において重要な役割を果たしている以上、今後も高い成長が見込める企業です。

MSCI同様、「今が高い」というのは買わない理由にはならないでしょう。

SPGIを買うことのできる証券会社は?

では、SPGIは、どこで買うことができるのでしょうか?

MSCIであり、海外ETFを扱っている証券会社であれば、どこでも買うことができます。ネット証券であれば、マネックス証券、楽天証券、SBI証券、この3つの証券会社であれば、手数料等も含めて、それほど差はないのではないでしょうか。普段使っているところを使うとよいでしょう。

まとめ

MSCI同様、SPGIは、インデックスの組成を行う会社になります。加えて、社債や国債の格付けというビジネスを持っているのも、SPGIの大きな強みであると言えるでしょう。

MSCIがどちらかというと一点突破型なのに対し、SPGIは多角化している分、リスクヘッジをすることも可能です。私はMSCIのEPSの成長性に魅力を感じますが、SPGIも十分高いEPS成長を見せています。どちらも買えるのであれば、SPGIとMSCI、どちらも持っておきたい銘柄になりますね。

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