胴元に投資できる「MSCI」を徹底解説!胴元を制する者が投資を制する?

MSCIの成績

インデックス投資ブームに乗るのなら、インデックスファンドよりMSCI株?

ここしばらくは、VIX指数や、WTI原油先物を用いた投資、そして世界最大のETFであるS&P500連動型のETFについて、解説してきました。

これらは、投資の対象こそ違えど、大きな流れ、つまり経済全体の流れについて考えながら買う銘柄になります。

一方対象的なのが個別株。個別株は、もちろん全体の動きもありますが、それ以上に、「その企業がどういったビジネスをしているか」が重要になってきます。

今回は、独特のビジネスモデルで、安定した収益を出しているMSCI株について解説します。

ゴールドラッシュからの教訓

MSCIの話に入る前に、アメリカのゴールドラッシュの時のお話をしておきましょう。

こういう逸話があるのをご存知でしょうか。

「ゴールドラッシュに沸くアメリカ、多くの男たちが金を求めて東から西へとやってきた。ツルハシ(金を掘る道具)屋の主人は、男A、男B、男Cにそれぞれツルハシを売った。いずれも一攫千金を求めて西にやってきた男たちだ。さてここで問題だ。この中の登場人物のうち、確実に儲かったのは誰だろうか。」

答えは「ツルハシ屋の主人」です。金を掘るという不確実な行為よりも、金を掘る男に道具を売るビジネス、つまり根っこを抑えたビジネスの方が、確実性があり強い、ということをこの逸話は端的に表しているのです。

MSCIという会社は?

MSCIという言葉は、投資家、特にインデックス投資家であれば、知らない人はいないのではないでしょうか。

ETF、あるいは投資信託のベンチマークに、MSCI xxx 指数と書いてあるのを見たことがある人も多いと思います。

MSCIの主な事業は、指数を作成する企業になります。ETFや投資信託のベンチマークになる、MSCIコクサイ指数や、MSCIワールド指数などを作成している会社になります。

こういった企業は多くありませんが、MSCIは、その中でも最も大きな会社であり、MSCIの指数をベンチマークとしたETFは、アメリカだけでその資産残高は80兆円程度あります。

インデックスファンドである以上、何らかの指数をベンチマークにしなければいけません。

この指数を作っているのがMSCIのような指数会社であり、インデックスファンドはこういった指数会社がなければ成り立たないのです。

世界的にインデックスファンドの存在感が増している以上、そこに指数を提供しているMSCIの存在感も高まっていくのです。実際、アメリカのETFで、MSCIの指数に連動したETFの資産残高は、80兆円以上もあるのです。

MSCIは他にも、リスク分析の事業や、不動産のパフォーマンスを分析する事業などを行っていますが、中核事業はやはり、このインデックス事業になります。まさに、ETFにおけるツルハシ屋だと言えるでしょう。

MSCIのパフォーマンスは?リターンは?

では、気になるMSCIのパフォーマンスについて見てみましょう。まずはここ5年の業績を見てみましょう。

MSCIの成績

(出所:MSCI Annual Report 2019

売上を意味するOperating Revenueは2015年から右肩上がりや2019年には約1.5倍になっています。

そして、目を見張るべきは利益率の高さでしょう。

純利益は2015年の2.5倍に成長し、利益率も30%を超えており、非常に優良な企業であることがわかります。1株あたり利益については、2015年の2.11ドルから、2019年には6.66ドルと3倍以上になっていることから、この会社の収益の成長のスピードが速い事がわかります。

続いてチャートを見てみましょう。わかりやすいように、S&P500と比較しておきます。濃い青がMSCI、薄い青がS&P500です。10年間のチャートになっています。

MSCIとS&Pを比較(出所:Yahoo Finance )

S&P500もここ10年で2.2倍と素晴らしい数字です。しかし、それ以上に伸びがすさまじいのがMSCIです。

ここ10年で株価は9倍となっています。今年、コロナショックで大きく数字を一時的に落としたものの、すぐに回復し、年初来高値を更新しています。EPSの成長以上に株価が伸びているのは、同社に対する期待が高いことへの表れでしょう。

ここからMSCIに投資するのはあり?なし?

では、ここからMSCIに投資するのはありでしょうか?

基本的に、投資に対する関心が高まると、それに伴ってMSCIの売上も伸びていく形になっています。金融業ゆえに、景気には敏感に反応する部分もありますが、基本的にはお金の総量が増えており、投資に向かうお金が増えることを考えると、投資しがいのある企業だと言えるでしょう。

1つ懸念されるのは、「価格がすでに高い」ということです。PERは50倍と決して割安ではありません。

しかし、5年でまたEPSが3倍になれば、PERは15倍と非常にバリューです。今後同様の成長ができるかはわかりませんが、期待できる銘柄であることに間違いはありません。

MSCIを買うことのできる証券会社は?

では、MSCIは、どこで買うことができるのでしょうか?

MSCIであり、海外ETFを扱っている証券会社であれば、どこでも買うことができます。ネット証券であれば、マネックス証券、楽天証券、SBI証券、この3つの証券会社であれば、手数料等も含めて、それほど差はないのではないでしょうか。普段使っているところを使うとよいでしょう。

参考:【外国株】おすすめのネット証券会社はどこか?徹底比較してみた。

まとめ

投資への関心が高まる中、多くの人がインデックスファンドという選択肢をとっています。インデックスファンドは指数に連動するように設計するファンドであり、その指数をもっとも多く提供しているのがMSCIです。

ゴールドラッシュの時に、ツルハシ屋が確実に利益を手にしたように、指数を提供する胴元であるMSCIは、今後も金融市場がある限り、安定した成長が期待できます。

PERは割安とはいえませんが、「押し目買いに押し目なし」の言葉にあるように、今からでも投資したい企業の1つであると言えるでしょう。

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