不動産投資のシミュレーション方法【実際の収支計算表を公開】

不動産投資シミュレーション

不動産投資、どうやってシミュレーションする?入ってくるお金、出ていくお金を大公開!

前回の記事では、ワンルーム投資に対する批判と、それに対する反論と言う形で、不動産投資のポイントを解説しました。

前回の記事⇒「ワンルームマンション投資は儲からない・やってはいけない」というのは本当なのか?徹底分析

ワンルーム投資の批判の多くは、「不動産屋の提示してくる数字がおかしい」ということと、「リターンが実は高くない」ということに集約されると言っても過言ではありません。

このうち、リターンについては、確かにネット利回りで見ると、4%前後、というところも少なくないのですが、その分レバレッジを掛けることができる、というのが、不動産投資のポイントです。

レバレッジを掛けることで、元本に対するリターンは高くなります。もちろんリスクもありますが、リスク、リターンを考えると、これはごく普通の話でしょう。

今回は、この、「不動産屋が提示する数字がおかしい」ということについて、考えたいと思います。

確かに不誠実な不動産会社というのは存在します。そして、保険であれ金融商品であれ、売り手の意見を鵜呑みにしていい投資商品はありません。

今回は、不動産投資を行う上で、どういったことをシミュレーション時に考慮するかについて、解説します。

不動産における収入、支出を整理しよう

まず、基本的なこととして、不動産における収入、支出というのを整理したいと思います。簡単な、支出のほうから見てみましょう。支出の項目には以下のようなものがあります。

購入時にかかるもの

  • 頭金
  • ローン手数料
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 火災保険料
  • 司法書士報酬9
  • 不動産取得税

このうち、ローン手数料、印紙税、火災保険料、登録免許税、司法書士報酬は、「諸費用」として提示されることが多いです。なので、「頭金」「諸費用」「不動産取得税」を考える必要があります。

毎月・毎年発生するもの

  • ローン返済金
  • 管理費
  • 修繕積立金
  • 固定資産税・都市計画税

これらは毎月、または発生します。

まれに発生するもの

  • 原状回復費用
  • (募集時の)広告費

広告費については、支払うかどうかは我々の一存によって決めることができます。

一方、収入には、以下のようなものがあります。

  • 家賃収入
  • 更新料
  • 税金の還付

支出に比べて収入の項目が少ないのは、少し残念ですが、不動産投資とはそういうものです。仕方ありません。

税金はどれだけ還付されるの?

この、税金の還付というのが、わかりづらい部分になります。少し詳しく解説しましょう。

税金の還付の基本的な理屈は以下の通りです。

不動産所得というのは、総合課税になります。総合課税というのは、給与所得と合算できる、ということです。

そして、不動産所得は、キャッシュフローにかかわらず、マイナスにすることができるのです。つまり、不動産所得と給与所得を合算させることで、所得を低くし、所得税、住民税を還付させるというのが、基本的な理屈です。

では、なぜ、不動産所得はマイナスにできるのでしょうか。理屈としては、不動産所得の収支は、以下のように計算されます。

不動産所得=家賃収入+更新料-ローン返済-管理費・修繕積立金-税金-経費-減価償却

ここでポイントとなるのは、税金と、経費、そして減価償却の部分ですね。

税金は、固定資産税・都市計画税だけではありません。印紙代や不動産取得税もすべて税金です。初年度はこの分が経費として計上できます。

また、経費に含まれるのは、火災保険料のほかに、ローン返済の金利分も経費として計上することが可能です。基本的に、35年や45年の場合、それなりの金額の金利を支払います。

これを経費として計上することで、損失を大きくすることができます。

減価償却については、購入した建物の金額を、一括でなく、何年かに分けて経費として計上できる仕組みになっています。

建物の構造によって年数は異なりますが、新築のRCの場合、47年に分けて償却することができます。これは法律によって、いくら償却できるかも決まっています。

実際のシミュレーションを公開

実際に、私がやってみたシミュレーションを見てみましょう。

不動産投資シミュレーション

たとえば2500万円の家を買う時は、ここまで細かくシミュレーションをします。(数字は仮置きなことは、承知おきください)

ここでいう、資産正味価値というのは、1年目時点の資産がどれくらいか、というものです。

資産価値(土地)+資産価値(建物)+ネット利回り(累計)-残債で計算しています。

たいてい建物は買った瞬間に価値が下落します。(このシミュレーションの場合、2割引で計算しています。)

そのため、資産価値はマイナスからスタートすることが多いです。

しかし、残債が減っていくこと、この場合はネット利回りがわずかながらプラスなことから、資産正味価値はだんだん増えていきます。これが何年目にプラスになるのかも、重要な投資判断の1つにしています。

まとめ

不動産投資の問題点の1つとして、不動産会社の不誠実さ、というものがあります。

しかし、不動産だけでなく、金融商品を買う際は、営業マンのいうことを鵜呑みにせず、自分自身でシミュレーションすることが大事です。

不動産のシミュレーションは、実に奥が深いものになっています。特に経費、税金、減価償却が所得上マイナスに働き、税金の還付があるというのがポイントでしょう。

1つ1つの項目を細かくシミュレーションして、どれくらいでプラスになるか、どれくらい儲かるか判断しながら進めれば、不動産投資は有用なものになります。ぜひ、不動産投資を検討している方は、このシミュレーションを参考にしてくださいね。

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